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レクサスRX刷新 トヨタ、「長男」に託す北米巻き返し

トヨタ自動車が全面改良し、2022年秋ごろに発売する高級車ブランド「レクサス」の多目的スポーツ車(SUV)「RX」。1998年に北米で登場し、日本初投入のSUVでもあったレクサスの「長男」(トヨタの豊田章男社長)だ。米テスラとの競争で劣勢に立たされる主戦場の北米で巻き返しをはかれるかが焦点になる。

「長男は何をやっているんだ」

21年秋、トヨタの「下山テストコース」(愛知県豊田市・岡崎市)。マスタードライバーを務める豊田社長が語気を強めた。全レクサス車を集め、開発陣が乗り味などを作り込む「味磨き活動」の最中。開発の最終段階にあった「NX」やEV(電気自動車)専用モデル「RZ」は高評価だったが、試作車だったRXは「必ず走りにこだわってほしい」と叱咤(しった)激励した。

トヨタは初代RXを98年に北米で初めて発売し、日本ではトヨタの「ハリアー」として投入した。日本でRXを発売したのは09年の3代目からだ。日本でレクサス初の高級SUVであり、現在も販売シェアの3割を占める稼ぎ頭。その「長男」の全面改良に課せられたハードルは高かった。

新型RXはこれまでレクサス車で培った技術を盛り込んだのが特徴だ。例えば「ダイレクト4」と呼ぶ四輪駆動システム。加速やブレーキで車体の重心が変わっても、タイヤにかかる荷重を常時把握して緻密に駆動制御できるという。冬以降に登場するRZで初採用が決まった仕組みで、RXではハイブリッド車に適用される。

21年に全面改良したNXに次ぐ2車種目となるプラグインハイブリッド車(PHV)も用意した。レクサスは30年に世界で100万台のEVを販売し、35年に全ての車をEVとする方針を掲げる。今回はEVの用意はないが、NXに続いて電動車の技術を取り込んだ。

デザイン面ではレクサスの象徴でもあったフロントグリルも刷新。EVのRZはエンジン冷却が不要なため、空気が通るフロントグリルがないのが特徴だ。この経緯を踏まえ、エンジン車の用意もあるRXでは、車体とグリルがグラデーションになるようなデザインを配した。

価格は非公表だが、現在の4代目RX(500万円~)からは高機能化に伴って上がる公算が大きい。日本で初めて発売した3代目が460万円からだったため、50万円ほど上昇している。

レクサスの主戦場は北米だ。21年の世界販売約76万台のうち、北米が4割を占める。次いで中国などアジアが3割で、日本は7%にすぎない。ただ、米国高級車市場でのシェアは15年に18%程度だったが、足元では15%ほどと押され気味だ。

台頭しているのが新興のテスラで、独メルセデス・ベンツなどは販売台数の低下が目立ってきた。走りや電動化技術を磨いたRXで巻き返しを図れるか。新生「長男」の踏ん張りにかかっている。

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