JR東海、純利益2.6倍 22年10〜12月期旅客数上向く

JR東海が30日発表した2022年10〜12月期連結決算は最終利益が前年同期比2.6倍の837億円だった。新型コロナウイルスの感染が落ち着き、主力の東海道新幹線などの利用が伸び運輸収入が上向いた。最終損益は3四半期続けての改善。売上高は同29%増の3850億円だった。運輸収入はコロナ禍前の80%の水準まで戻ると見込んでいたが1ポイントほど想定を上回った。

東海道新幹線の利用者数は18年度に比べ10月は76%で、11月が79%、12月が83%と新型コロナの流行が一気に広がった20年度以降で最も回復した水準が続いた。4〜9月の平均が67%だったのに対し、10〜12月の平均は79%だ。
22年4〜12月期ベースの連結決算は売上高が48%増の1兆191億円、最終損益が1806億円の黒字(前年同期は123億円の赤字)。東海道新幹線の運輸収入は7202億円と、コロナ禍前の18年の同じ時期の73%の水準だ。
「運輸業」「流通業」「不動産業」「(ホテルなど)その他」4つの部門がそろって営業黒字を計上した。4〜9月期ベースでは営業赤字だった「その他」も、年末にかけてホテルの集客やジェイアール東海ツアーズの旅行商品の売り上げが伸びた。グループの旗艦ホテル、名古屋マリオットアソシアホテルの客室稼働率は83%で、コロナ禍前の18年と同水準まで回復した。
23年3月期の業績予想は据え置いた。売上高は前期比42%増の1兆3320億円、最終損益は1410億円の黒字(前期は519億円の赤字)を見込む。JR東海では「運輸収入などが上向いているが、新型コロナの影響もあり先行きは不透明」としている。