名古屋大学が奨学金2倍 博士学生に年173万円、返済不要

名古屋大学は29日、大学院の学生への奨学金を拡充すると発表した。2022年度から年3億円を予算に計上し、国の補助金も確保する。博士課程では、授業料の減免や生活費の支援を含めた年間の奨学金を、平均で従来比2倍の173万円に引き上げる。奨学金は返済の必要がない。高度な専門知識や研究能力を身に付けられる博士課程への進学を経済的理由からためらう学生が多い現状を打破する。
29日に記者会見した杉山直学長は「日本の社会変革のため、問題解決能力の高い博士人材の活用が必須だ。経済的負担を気にせず、博士課程に進学してもらいたい」と話した。
大学院では前期が修士、後期がいわゆる博士課程。経済的支援の必要が小さい社会人学生や休学者を除けば名大院の修士課程には3600人、博士課程に1400人の学生がいる。国立の名大は学部、修士、博士課程の授業料は一律で年間53万円。
従来は博士課程の学生のうち、主に経済的理由で4割の学生が授業料の減免を受けていたが、主に成績優秀者を対象に加え、9割に引き上げる。月10万円の生活費支援も優秀な学生向けに実施する。博士課程の学生1人当たりの授業料や生活費の支援額は従来の年間82万円から173万円と大幅に増える。修士課程の学生にも支援を実施する。
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