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名古屋で本社討論会 景気回復、変異型がリスク

日本経済新聞社と日本経済研究センターは29日、名古屋市内で景気討論会を開いた。米中の経済成長を背景に自動車の輸出や生産が拡大して、国内景気は回復しているとの見方で一致した。今後の景気リスクとして新型コロナウイルス変異型の流行や半導体不足などが指摘された。

討論する(左から)日本特殊陶業の尾堂会長、日本銀行名古屋支店の林支店長、ニッセイ基礎研究所の久我上席研究員、日本経済研究センターの稲葉主任研究員(29日、名古屋市中区)

――国内経済の現状をどうみていますか。

尾堂氏「自動車産業は米中の需要に支えられている。懸念は半導体不足だ。自動車メーカーの生産が滞り、部品メーカーの供給にも支障が生じている。今秋にも解消に向かうとみていたが時期を見通しにくくなってきた」

稲葉氏「国内景気は回復が続いている。輸出や生産の伸びは続くだろう。コロナ対策の給付金が貯蓄に回っている。消費に回らなかったペントアップ(先送り)需要は、2020年度に10兆円だったと試算している。21年度はこの半分くらいが反動消費として出てくるはずだ」

――海外経済をどう分析していますか。

尾堂氏「中国の自動車需要はコロナ禍以前よりも強い。米国でも自動車販売は好調だ。通常なら3~4カ月分ある流通在庫は1カ月分より少ない。ただ外需は強いが変異型の流行は止まらず不安がくすぶっている」

林氏「先行きも米中がけん引する。米国では消費者物価が上がっている。米連邦準備理事会(FRB)は落ち込んだ消費の反動や国際商品価格の上昇が要因と分析する。高インフレだった1960~70年代の再来との見方もあるが、長期的には物価上昇率は2%に収束していくはずだ」

――どのような政策を政府に期待しますか。

久我氏「ワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)をうまく活用してもらいたい。感染状況をみながら需要を喚起していくうえで『Go To』キャンペーンとの組み合わせなどが考えられる」

稲葉氏「コロナ禍の脱却に向けたロードマップを示してもらいたい。日本ではコロナの新規感染者数ばかりに注目しがちだが、重症者数や死亡者数を重視している国もある。規制を緩和する基準を具体的に示すことが重要だ」

――中部地域の経済をどうみていますか。

林氏「厳しい状態だが、持ち直している。飲食・宿泊は厳しいが首都圏よりも感染者が少なく、旅行会社などからは他県から予約が入るようになったとの声が聞かれる。ただ感染者数は足元で増えており留意は必要だ」

久我氏「訪日客をコロナ禍前よりも増やす準備を進めてはどうか。観光業界はキャッシュレスやバリアフリー、多言語表記で諸外国よりも遅れている。魅力を高めるための仕組みづくりに励んでもらいたい」

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