JR東海の4~12月、最終赤字1114億円 10~12月は黒字化
JR東海が29日に発表した2020年4~12月期の連結決算は、最終損益が1114億円の赤字(前年同期は3881億円の黒字)だった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、稼ぎ頭の東海道新幹線の利用が急減した。政府の観光支援策「Go To トラベル」の追い風により、四半期でみると10~12月期は20億円の黒字と、3四半期ぶりに黒字転換した。

4~12月の売上高は6030億円と前年同期に比べて58%減った。JR東海の売上高は新幹線の依存度が大きく、20年3月期で7割弱を占めていた。コロナ禍で出張や観光、帰省の自粛が相次ぎ、同期間の新幹線の利用は前年同期比で7割減った。本業のもうけを示す営業損益は935億円の赤字(前年同期は6119億円の黒字)だった。

一方、10~12月期でみると本業のもうけを示す営業損益は199億円の黒字と、7~9月期(299億円の赤字)から黒字転換した。Go To トラベルの効果で10~12月の新幹線の利用は前年同期比55%減と、7~9月期から13ポイント改善した点が大きかった。
21年3月期通期の業績予想は据え置いた。売上高は前期比53%減の8630億円、最終損益は1920億円の赤字(前期は3978億円の黒字)を見込む。
再度の緊急事態宣言で1月の新幹線利用は再び7割減まで落ち込んでいる。業績予想は新幹線を含む運輸収入が10~12月期に18年の同期比で60%減、その後は3月末にかけて19年の同期比で40%減までの回復を前提としていた。利用低迷が3月まで続けば、業績下振れリスクが浮上してくる。