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中部企業、従業員に「ワクチン休暇」 人繰り調整が課題

従業員の新型コロナウイルスのワクチン接種を促すため、百五銀行トヨタ自動車といった中部企業で休暇の仕組みを整える動きが広がっている。有給の「特別休暇」を設けたり中抜けを認めたりして、接種後の副反応による体調不良や高齢の家族への付き添いに備えることを想定している。65歳以上の高齢者への接種が一巡する夏場以降、接種で休む人のカバーがスムーズにできるかが課題となる。

トヨタ自動車関係施設に設けられた集団接種会場(5月30日、愛知県豊田市)

「ワクチン休暇」の仕組み作りで先行しているのは金融機関や公益企業だ。百五銀行はパートも含むすべての従業員約3500人を対象に、本人や家族のワクチン接種のため休暇をとった場合、有給扱いにすることを決めた。期間は2022年2月28日まで。取得日数に制限のある有給休暇の枠とは別に、特別休暇として有給扱いの休みがとれるようにした。付き添いが必要な家族の接種時では2日間の休暇を認める。

愛知銀行は接種を受ける日を休暇にするか、必要な時間帯を就業免除にするかを選ぶことができ、副反応があった場合も休むことができる。名古屋銀行は就業時間中に中抜けして接種に行っても終日勤務したとみなす通達を出しており、副反応が出た場合の特別休暇は最大5日としている。三十三銀行も接種のための特別有給休暇の取得を認める。

中部電力と中部電力ミライズ、中部電力パワーグリッドもワクチン接種時に使える特別休暇制度を導入した。3社で働く約1万5000人の従業員が対象で、本人が申請すれば有給休暇として最大2日分を追加できる。JR東海は年次有給休暇に加えて、病気など使用条件が限られている有給休暇「保存休暇」をワクチン接種で利用することを認める。

井村屋グループは正社員だけではなく、パートなどにも幅広く取得してもらう。セイノーホールディングス傘下の西濃運輸も同様の対応を月内にも正式決定する。自治体のワクチン接種に産業医の派遣や会場設営で協力するトヨタ自動車もワクチン休暇の導入について、政府から呼びかけのあった経団連が要請したこともあり、検討を始めたもようだ。

企業以外でも、愛知学院大学は常勤の1200人の教職員に対し、最大1週間の特別休暇を認める。三重県は、勤務時間帯にワクチン接種を受けに行った職員に対し、移動時間を含めて給与を支給する。津市も接種に向けた特別休暇の導入を調整中だ。

一方、百五銀行は「行員への接種が始まれば、上長がうまく調整して休みの人が一時に集中しないようにする必要がある」(人事担当者)としている。自治体が担う集団接種や医療機関での個別接種の場合、予約を変更しにくいという問題があるだけに、人繰りの調整が難しくなる事業所もありそうだ。

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