MTGと日本電産、高級ドライヤーで協業 海外展開目指す

美容家電を手掛けるMTGと日本電産は28日、高級ヘアドライヤーの分野での協業を発表した。日本電産がMTG向けに高速で小型、低騒音のモーターを開発した。MTGは同モーターを搭載した美容ドライヤーの新製品を11月に発売する。日本をはじめ中国や欧米など世界での販売を目指す。
MTGは同日、製品の設計や製造で電子機器受託製造サービス(EMS)世界大手フレックスとの協業も発表した。MTGは2019年から国内で「リファ」ブランドの高級ヘアドライヤーを販売しており、美容室や美容サロンといったプロ向けで高いシェアを持つ。
新製品は「リファ ビューテックドライヤー スマート」。本体重量は約330グラムと小型化しながらも、風速や風圧を高めた。価格は3万8千円。
MTGは18年7月の株式上場後、中国の電子商取引(EC)規制などを受けて業績が悪化、中国子会社での不適切会計も発覚した。その後京セラ出身で日本航空(JAL)の経営再建にも携わった大田嘉仁氏や、国内家電大手の元幹部を迎えて体制を強化、業績の拡大を目指している。
同日、東京都内で記者会見したMTGの松下剛社長は「世界一のドライヤーを目指すにはどうしても世界一のモーターが必要だと考え、直談判させてもらった」と語った。日本電産の小部博志副会長は「開発中も『もっと静かに』『もっと振動を少なく』と何度も指摘をいただいた。(新開発のモーターには)自信を持っている」と話した。