トヨタ自動車社長に佐藤恒治氏 豊田章男氏は会長に
トヨタ自動車は26日、4月1日付で佐藤恒治執行役員(53)が社長兼最高経営責任者(CEO)に昇格すると発表した。豊田章男社長(66)は代表権のある会長に就く。14年ぶりの社長交代となる。豊田氏はリーマン・ショック後の赤字から経営を立て直し、マツダやスズキとの資本提携も相次ぎ決めた。佐藤氏のもとで電気自動車(EV)などへの移行を急ぐ。

豊田氏はリーマン危機直後の2009年6月に創業家出身として14年ぶりに社長に就任した。09年に781万台だった販売台数を19年には過去最高の1074万台まで増やした。ハイブリッド車(HV)の販売を日米で増やしたほか、水素を燃料にする燃料電池車(FCV)も商品化した。
開発や生産を効率化するため国内自動車大手との提携も決めた。マツダやスズキに資本参加したほか、SUBARU(スバル)を持ち分法適用会社にし、ダイハツ工業も完全子会社にした。
豊田氏は26日に開いたオンライン記者会見で「トヨタの変革をさらに進めるには私が新社長をサポートする体制が一番良いと考えた」と述べた。新型コロナウイルス禍による販売減なども最悪期を脱したとみて社長職を譲る。内山田竹志会長(76)は退任する。
社長に就く佐藤氏は部品開発などの技術者出身で、現在は高級車「レクサス」部門のトップを務める。会見で「車の本質的な価値を守り、新しいモビリティーのかたちを提案したい。新たな時代に向けて挑戦する」と語った。豊田氏は「佐藤氏なら商品を軸にした経営を前に進めてくれる」と話した。
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