三重交通GHD社長に竹谷副社長昇格 生え抜きトップに

三重県を中心に路線バス事業や流通・サービス業などを手掛ける三重交通グループホールディングス(GHD)は24日、竹谷賢一副社長が社長に昇格する人事を発表した。6月中に予定する株主総会後の取締役会で正式に決め、生え抜き社長が誕生する。
原恭社長は6月中に退任し、近畿日本鉄道の社長に就任する。16年から19年まで三重県商工会議所連合会会長を務めた岡本直之会長は相談役となる。16〜20年に三重交通GHDの社長を務めた小倉敏秀・近鉄グループホールディングス社長が会長として三重交通GHDに復帰する。事業会社である三重交通の社長には同社取締役の田端英明氏が昇格する。
三重交通GHDの社長に就任する竹谷氏は同日記者会見し、「バスは地域の信頼の礎。輸送効率の改善や運行ダイヤの見直しを進めたい」と抱負を述べた。岡本会長は「コロナ禍の業績回復から一定のメドがついた」ことをトップ交代の要因にあげた。
社長に就任する竹谷氏は貸し切りバスや観光分野の担当を歴任。「バスツアーや訪日外国人の回復が想定される」としてインバウンド(訪日外国人)などの誘客に力を入れる意向を表明した。一方、名古屋地区では賃貸不動産事業に注力する考えを示した。利用者減が続く路線バスについては「県や自治体とも利用者増に向けた協議を続けている」として、輸送効率の改善を進める考えを示した。