/

JR東海、22年度のリニア投資13%減 用地取得が一段落

JR東海は24日、2022年度(23年3月期)にリニア中央新幹線計画に3750億円投じると発表した。22年3月期の計画から13%減少する。全体の設備投資額は22年3月期の計画にくらべて9%減の6830億円と9年ぶりに減らす。用地取得が一段落したことに加え、同様の方法で進める別の地下トンネル工事で陥没事故が起きたことから、リニア工事のスピードを抑えていることも影響する。

リニアの投資額が減ることについて、24日に記者会見した金子慎社長は「東京外郭環状道路(外環道)のトンネル掘削工事での陥没事故を受け工事を慎重に進めていることや、リニア用地の取得が22年3月期にピークを迎えたこと」が要因だと説明した。

陥没事故とは東日本高速道路(NEXCO東日本)が手がける外環道の地下工事に伴い、20年10月に調布の住宅街で道路が陥没した事故を指す。JR東海は同様の工法でリニアトンネルの工事を進めている。事故を受けて本格的な掘削に入る前に地盤を調べながら掘る「調査掘進」を実施しており、工事が当初予定よりも遅れているようだ。

リニア用地については21年9月時点で、交渉が必要なすべての地権者の半数から土地を取得し終えた。JR東海は「大規模な土地は(用地取得の)ピークを越えた」としており、23年3月期以降の単年度の取得額は減少するとみられる。

静岡工区では膠着続く

27年に予定していたリニアの開業時期について金子氏は24日、「静岡県内の着工が見通せない中では難しい」と改めて話した。静岡県内の工事にかかる投資は22年3月期と同様、今回の計画の中に含まれていない。

焦点になっているのは静岡県内の「南アルプストンネル静岡工区」だ。地下を通るトンネルの真上を大井川が流れており、大井川の水量減少を懸念する静岡県の川勝平太知事が工事に反対している。早期に着工したいJR東海との間で膠着状態が続いている。

21年12月には国の有識者会議が大井川について「中下流域の河川流量は維持できる」との見解を中間報告でまとめた。一方、21年6月の知事選挙で再選した川勝氏は着工許可を出しておらず、27年を目標としていた開業時期の延期は不可避となっている。

新幹線はコロナ禍前比56%減

リニア以外の設備投資については地震の際の東海道新幹線の脱線防止対策といった「安全・安定輸送の確保」に1200億円投資する。在来線では23年3月期に新型通勤電車「315系」を56両、新型特急車両「HC85系」を58両投入するなど「輸送サービスの充実」に1240億円を投じる。

一方、在来線ではワンマン運転の拡大、新幹線では車内点検の省力化をすすめるなど、10~15年かけて年間800億円(単体)のコストを削減する考えも示した。

24日公表した3月1~23日までの東海道新幹線の利用は、新型コロナウイルス禍前の19年の同じ時期にくらべて48%減った。22年3月期通期で比べると、19年3月期から56%減だった。金子氏は「先週は3連休があり日によっては利用がコロナ前の60%、70%ということもあった。コロナの感染状況を見ながら、少しずつ利用が増えているのではないか」と話した。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

新型コロナ

新型コロナウイルスの関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。

ワクチン・治療薬 国内 海外 感染状況 論文・調査 Nikkei Asia

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

企業:

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン