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三重国体コロナで中止 知事「宿泊業・バスを財政支援」

三重県内各地で民間の力も得て国体開催の準備が進められていた(津市役所)

三重県の鈴木英敬知事は25日、スポーツ庁などと第76回国民体育大会(三重とこわか国体、9月25日~10月5日)の中止で合意した。数万人規模の選手らが県内を訪れる予定だったが、新型コロナウイルスの感染が急速に広がり開催を断念した。鈴木知事は「(国体に関わる予定だった)宿泊業やバス会社に財政支援する」と述べた。

「開催を楽しみにしていた皆さんに申し訳ない。断腸の思い。心からおわび申し上げる」。鈴木知事は協議後に記者団の取材に応じ頭を下げた。国体の中止は三重県が申し入れていた。10月23~25日に開く第21回全国障害者スポーツ大会(三重とこわか大会)の中止も正式に決まった。

三重国体で陸上競技が行われる予定だった三重交通Gスポーツの杜伊勢陸上競技場(25日、三重県伊勢市)

国体には全国から約2万5千人の選手や指導者らが参加、約2万8千人のボランティアが活動する予定だった。とこわか大会も県外からの宿泊者だけで約5600人にのぼる予定だった。

三重県は17日時点で、国体をすべて無観客にして開くと文部科学省と合意、9月4日の感染状況を踏まえて最終判断することにしていた。それが中止へと急転換したのは、新型コロナの新規感染者が急増したためだ。17日には208人を確認したが、22日は感染者が減る日曜日にもかかわらず過去最多の432人を確認。25日も431人と高止まりが続く。

県内でもコロナワクチンの接種がある程度進み、夏の全国高校野球やプロ野球、Jリーグは開催されている。それでも「全国から人が移動する状況を作り出し、(とこわか大会には)重症化リスクが高い人が参加する」(鈴木知事)とみて中止を申し入れた。県立高校では8月、23日までに生徒や教員の感染者が473人と前月の8倍近くに増えており、競技補助員となる高校生1万7千人への感染も懸念された。

県内では競技が開かれる自治体からも国体の中止要請が出始めていた。18日には伊賀市の岡本栄市長が無観客開催の方向を疑問視、県に中止の要望書を出していた。鈴木知事の辞職に伴う知事選(9月12日投開票)で「国体の中止」を掲げる候補もいて、選挙の争点になる可能性があった。

鈴木知事は25日、「宿泊や移動を担う予定だった宿泊業やバス会社に財政支援する」と述べた。開幕式典のパフォーマンスを披露する予定だった人の発表の場を設ける予定だ。企業や個人から集めた5億8千万円の協賛金の残りについては「個別に確認する」という。

三重県によると88の県内事業所が選手189人を雇用してきた。百五銀行は柔道など7人、三重交通グループホールディングスは3人の選手を抱える。こうした選手については「1人1人の意向を聞いて今後をサポートしたい」(鈴木知事)という。

2020年に予定していた国体と障害者スポーツ大会を断念した鹿児島県は23年に改めて開催する。三重国体は手続きによれば最短で27年に開催できるが、「今日の協議で今後のことは話していない」(鈴木知事)。今後、県が市町村や各種団体の声を聴きながら検討する方針だ。当面は関係者の混乱が続きそうだ。

(津支局長 小山隆司)

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