22年上半期の名古屋港の輸出額、成田に次ぎ全国2位 - 日本経済新聞
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22年上半期の名古屋港の輸出額、成田に次ぎ全国2位

全国の貿易港と空港からの2022年上半期(1~6月、速報値)の輸出額で、名古屋港は2位となった。21年の輸出額は10年ぶりに成田空港に首位の座を明け渡し、22年上半期も首位に返り咲けなかった。新型コロナウイルス禍からの自動車や関連部品の減産が響き、輸出が伸び悩んだ。各国の港湾で荷動きが停滞し、航空便への転換が広がったことも名古屋港の伸びを小幅にした。

名古屋税関が21日に発表した管内(愛知、岐阜、三重、静岡、長野)の貿易概況は、名古屋港の輸出額は21年同期比8%増の6兆6265億円となり、過去最高だった。一方、東京税関が発表した成田空港の貿易概況によると同26%増の7兆6579億円でこちらも過去最高だった。名古屋税関の担当者は「名古屋港も伸びているが、それ以上に成田空港の伸びが大きかった」と話す。

名古屋港は自動車の減産の傾向が続き、回復が遅れている。輸出台数は前年同期と比べ10%減の56万台で、輸出額はほぼ変わらず1兆5276億円だった。名古屋港を含む名古屋税関管内全体では、一時は1カ月に20万台を超えていた輸出台数は10万台超にとどまる月もあり、6月の輸出台数も17万台だった。上半期の自動車の輸出額は2兆7313億円と前年比2%増え、新型コロナウイルスが流行する前の19年の同期比で1割減った。

この上半期の車の輸出額を国・地域別にみると中国向けの落ち込みが目立ち、21年同期と比べると23%減の760億円だった。欧州連合(EU)は4%減、米国は2%増だった。「ロックダウンや半導体不足の影響を受けて減っていたが、要因の解消に伴い少し増えた部分はある」と話す。

名古屋港では自動車部品の輸出の伸びも小幅で、上半期の輸出額は前年同期比2%増の1兆599億円だった。6月単月の輸出額は前年同月比7%減の1700億円だった。

一方、成田空港は半導体製造機器が21年同期比30%増の7289億円。世界で半導体の需要が拡大し、全体の伸び率で名古屋港を上回った。

名古屋港などで貨物の積み下ろしや倉庫での保管を担う名港海運の担当者は、同港からの海上輸送について「コロナで激減した後、徐々にだが回復している段階」と話す。同社が5月に発表した22年3月期の連結決算では航空貨物運送部門の売上高が21年同期比47%増の58億円だった。

管内全体の輸出額は前年同期比7%増の10兆1992億円だった。こちらも東京税関に抜かれて全国2位だった。名古屋港は輸出額から輸入額を差し引いた貿易黒字も、足元の原油高の影響で減少傾向だ。

名古屋税関全体の輸入額は3期連続で増加し、過去最高を記録した。21年同期比37%増の6兆3670億円だった。原油、液化天然ガスなどの伸びが顕著だった。石炭は21年上半期の3倍以上となり、2119億円だった。

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