自動車業界も2050年までに脱炭素、自工会が方針
日本自動車工業会(自工会)は17日、政府の2050年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」目標を巡り、自動車業界としても取り組む方針を決めた。豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は「全力でチャレンジする」とした上で「技術的ブレークスルーがなければ難しく、欧米中と同様の政策的・財政的支援を要請したい」と述べた。

自動車業界の二酸化炭素(CO2)排出量は、18年に1億8000万㌧と01年に比べ2割減り、国内の電動化比率はノルウェーに次ぐ世界2位に位置する。
一方、豊田氏は自動車の温暖化ガス排出量を実質ゼロにするには「国家のエネルギー政策の大変革なしには達成は難しい」との見解を示した。日本は欧州諸国に比べて火力発電比率が高く、実質ゼロを優先させると生産過程で電力を使うため国内での自動車生産が不利になる。
政府は30年代半ばに全ての新車を脱ガソリン車とする目標を掲げる方向で調整している。豊田氏は「国のエネルギー政策に手を打たないと、ものづくりを残し、雇用を増やし、税金を納める自動車業界のビジネスモデルが崩壊すると理解してほしい」と指摘した。
また、20年の国内新車販売について自工会は「4年ぶりに500万台の水準を下回ることは避けられない」との見通しを明らかにした。21年については「コロナの感染が再拡大するなかで、先が全く見通せない」と述べるにとどめた。
関連企業・業界
企業: