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JR東海、新型特急車両を公開 シートは新緑や紅葉の色 

JR東海は20日、7月から高山線の特急で運行を始めるハイブリッド方式の新型車両を報道陣に公開した。シートは沿線の新緑や紅葉を表現した色合い。横揺れを軽減する装置を取り入れ乗り心地もよくして、全座席にコンセントを配備した。まず特急「ひだ」の名古屋と高山(岐阜県高山市)を結ぶ列車の一部に導入し、名古屋から三重県南部を経て和歌山県南部へ往復する特急「南紀」でも今後使用する予定だ。

グリーン車のシートには読書灯もつけたほか、枕も好みの高さに調整できる。

新車両はディーゼルエンジンによる発電と、蓄電池の電力を組み合わせ、従来型と比べ二酸化炭素(CO2)排出量を3割削減できる。

新型特急車両「HC85系」はハイブリッド車両として国内最高の時速120キロメートルで走る。現在「ひだ」と「南紀」で運用する「キハ85系気動車」にはエンジン2台を搭載する。新型のHC85系はエンジンが1つで、残りは蓄電池にためた電力でまかなう。

「ひだ」や「南紀」が運行する高山線や紀勢線はカーブや勾配が多い路線で、これまでは速度を維持しつつハイブリッド方式を導入するのは難しいとされていた。エンジンに代わり、高速走行するための大きな蓄電池を車両に搭載することができなかったためだ。

新車両は蓄電池自体の小型化や、車両のその他の機器の軽量化で課題を克服した。車両の制御装置を冷やす設備も、これまでの空冷式から、機器を小型で軽くできる水冷式に変更した。HC85系のエンジンの出力はキハ85系のものの1.3倍の能力がある。

通常ハイブリッド車両は時速100キロメートル以下の場合が多いという。現状の「ひだ」と「南紀」のキハ85系気動車はエンジン2台の力で、時速120キロメートルが出せる。新型車両の導入に速さを保ちながら、キハ85系気動車と比較しCO2の排出量は3割、窒素酸化物(NOx)は4割抑えることができる。

エンジンによる発電と蓄電池にためた電力を組み合わせたハイブリッド方式を採用した。ブレーキを使う際に発生する電力を蓄電池にためて加速時などの動力として使う。燃費は約35%向上するという。

JR各社は環境負荷を低減する車両の開発を進める。JR九州は16年から非電化区間は蓄電池で走行する電車「DENCHA(デンチャ)」の営業運転を始めた。JR東日本は水素を燃料とする燃料電池と蓄電池を併用するハイブリッド電車「HYBARI」(ひばり)を開発し、30年の実用化を目指す。

鉄道のハイブリッド化はドイツなどが先行する。水素を燃料にした燃料電池鉄道の営業運転が18年に世界で初めて始まった。独シーメンスも水素を燃料に使う車両を開発しドイツ鉄道と24年に試験走行を実施する見通し。

JR東海・東海鉄道事業本部の杉山尚之車両部長は「キハ85系と同様の120キロで走行するのが必須の目標だった。新しい装置や技術を使い、バッテリーの寿命を持たせつつしっかり走行性能を出せるよう2年半かけて作り上げた」と話した。

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