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トヨタ系の賃上げ・一時金、主要7社のうち6社で満額回答

トヨタ自動車グループの2022年の春季労使交渉が16日、集中回答日を迎えた。主要大手メーカーでは労働組合側の要求に対し満額回答が相次いだ。各社の業績が堅調だったことに加え、トヨタ自動車の労使が9日に満額回答で早期妥結したことも影響したようだ。

「昨年より賃金、一時金の両方で満額回答になった労使が非常に多かった」

トヨタグループの労組で構成する全トヨタ労働組合連合会の吉清一博事務局長は16日の記者会見で交渉の手応えを語った。

基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分と定期昇給分を含む「賃上げ」と、年間の「一時金」のそれぞれについて、トヨタ自動車を除くグループ主要7社では、トヨタ車体以外の6社が満額回答だった。21年に両方で満額回答となったのはデンソー1社のみにとどまっていた。

21年は半導体不足や新型コロナウイルス禍でトヨタが減産を強いられた時期もあった一方、自動車の販売自体は好調に推移したことが影響した。豊田合成は「今後の従業員の成果に期待するとともに、コロナ禍での対応に感謝するため」と満額回答の理由を説明した。

全トヨタ労連は今回の労使交渉にあたり、賃金改善分の目安を2年連続で掲げなかった。働き方や脱炭素化といった職場課題の議論を重視する姿勢を示している。吉清氏は中小規模メーカーの労組では賃上げ・一時金で高水準の回答を得られないケースもあったが「規模にかかわらず課題をしっかり議論できた」と振り返った。

トヨタ自動車の労使は9日時点で集中回答日を待たずに交渉を終えた。賃上げと一時金で満額回答とした。16日記者会見したトヨタ自動車労働組合の西野勝義執行委員長は会社側の早期回答について「通年で労使の対話ができている。そこが理解されての回答であれば特段否定するものではなく、組合員にとっても力になることだと思う」と振り返った。

トヨタ労使の動向がグループの交渉状況に与えた影響については、吉清氏は「トヨタの交渉では(全トヨタ労組の)加盟労組の働き方について多く取り上げてもらった。よい影響は与えたと思う」とした。

食料品やガソリンをはじめとした生活必需品の値上げが相次いでいるほか、ウクライナ情勢などで先行きの不透明感もある。「各労使の交渉では予断を許さない交渉があった」(吉清氏)としながらも、今回は議論の中心にはならなかったという。インフレへの対応は過去のデータが議論の土台になるためで、今後は課題になりうるとの見方も示した。

■トヨタG以外でも回答相次ぐ 働き方や賃金改善
今回の春闘ではトヨタグループ以外でも賃上げや働き方に対する要求が相次いだ。日本特殊陶業は16日、職場環境の改善など人への投資を強化する組合要求に対して前向きに取り組む考えを示した。要求では通信環境の整備強化や従業員のIT(情報技術)リテラシーを高める施策などがあった。
工作機械大手のオークマは8日、ベアに相当する賃金改善分として月6000円(定昇は別)とする組合要求に対し、1892円で回答した。22年3月期の業績はコロナ禍で落ち込んだ前の期から回復したことから、今回は賃金改善分を盛り込んだ。インフレや組合員への投資なども考慮した。

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