中部3県製造業の景況感、5期連続悪化 12月日銀短観
日銀名古屋支店が14日発表した中部3県(愛知、岐阜、三重)の12月の企業短期経済観測調査(短観)は、製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)がマイナス6と、前回9月の調査から1ポイント下がった。悪化は5期連続。自動車の減産の影響が緩和する一方、原材料価格の上昇や海外経済の減速の影響が長引いている。
業況判断は景況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた値。調査は11月10日~12月13日に中部3県の664社を対象に実施し、回答率は99.5%だった。
製造業の14業種のうち5業種で改善、8業種で悪化した。自動車は9月の調査から5ポイント上昇しマイナス8になった。3カ月先の見通しについても、自動車は1ポイント改善のマイナス7を見込む。
一方、原材料価格の上昇などで木材・木製品は12月調査の景況感が9月から20ポイント悪化のマイナス20で、悪化幅が業種別で最も大きかった。

非製造業は全体でプラス7と、9月の調査から5ポイント改善した。6期連続で改善している。改善幅が最も大きかったのは53ポイント改善のプラス6だった宿泊・飲食サービスだ。感染症の影響が和らいだことや政府の観光促進策「全国旅行支援」も大きな後押しになっているという。
一方で原材料の高騰や全国旅行支援終了後の反動減を懸念し、宿泊・飲食サービスの先行きは25ポイントの悪化を見込む。建設の先行きは14ポイント悪化のマイナス8、卸売りも10ポイント悪化のプラス4になるとみている。
中島健至支店長は「半導体調達の不透明さは続くが、各企業の安定調達への努力が実を結んでいる。(来年以降)自動車についてはゆるやかな生産水準の持ち直しが期待できる」と話した。
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