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三重のキウイ、22年秋にも全国出荷 ゼスプリと組む

ミニトマトなど農産物の生産を手掛ける浅井農園(津市)は2022年10月から、三重県玉城町でキウイフルーツの出荷に乗り出す。ニュージーランドのキウイ販売の世界最大手ゼスプリと組み耕作放棄地約8ヘクタールを確保しており、まず年間150トンを収穫。大消費地への運びやすさも生かしながら全国へ出荷する。出荷開始から3~4年後には収穫量を年間300トンへと拡大する考えだ。

玉城町はかつては柿の産地だった。生産者の高齢化や樹勢の衰えもあり、放棄される農地が増えていた。トマトの大規模生産を軌道に乗せていた浅井農園は、さらなる農産物の大掛かりな生産に取り組みたいと、広い農地を探し、19年に52人の地権者から用地を確保していた。

このうち6.8ヘクタールにゴールドキウイの約8000本の苗を植えた。生育は順調で予定通り22年から収穫や出荷が可能となる見込みだ。

日本政策金融公庫や百五銀行の融資など2億円かけて農地を整備した。確保した農地は水素イオン濃度が高い酸性になる土壌で、根が傷付きやすく栄養が得られにくくなる問題があった。水路を整備して排水を改善し、三重県内から確保した牛ふんでできた堆肥3000トンとカキの殻を投入し、土壌を改良した。

国産キウイの産地は九州や四国が中心だ。本州の三重県で大規模生産すれば大消費地がある関西や首都圏にも供給しやすくなる。

ゼスプリと組んでニュージーランド発祥の生産方式を取り入れる。ニュージーランドのトップ生産者は、日本の生産者の8倍となる1ヘクタールあたり年間80トンのキウイを収穫するといい「研究を進め、生産量を増やしていきたい」(浅井農園の浅井雄一郎社長)。

浅井社長は農産物の栽培から輸出・販売まで手掛けるゼスプリの経営や生産者の組織化なども学ぶ考えだ。

浅井農園は1907年の創業。長年にわたって植木や植栽に使うサツキを生産してきた。ただ、バブル崩壊後の公共事業の縮小で市場が大きく縮小した。サツキが出荷できるまでには時間がかかるという問題もあったことから、5代目の浅井現社長が就任してから生産サイクルが短くて済むミニトマトの生産に転換した。

単独売上高は14億円(21年8月期)だが、デンソーなどとも生産を手掛けており、グループの年間売上高は30億円にのぼり「日本最大級の農業法人に成長した」(浅井社長)という。

浅井氏は地元で注目される存在だ。三重県農業大学校(松阪市)は「第2の浅井氏を育てよう」を合言葉に、インターンシップを核とする次世代を担う農業経営者の教育プログラム「みえ農業版MBA養成塾」を開講している。

浅井農園は長期的な売り上げ目標などは掲げていないものの、今後も業容を拡大する方針だ。民間資金で公共公園の整備をすすめる「パークPFI」の管理者を目指す方針だ。

2月には沖縄県宮古島に研究農場(1000平方メートル)を設けている。「高温で農業生産に支障が出ている問題の解決策を探りたい」(浅井氏)としている。

(津支局長 小山隆司)

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