津市の4人死亡事故、二審も懲役7年 危険運転否定 - 日本経済新聞
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津市の4人死亡事故、二審も懲役7年 危険運転否定

津市の国道で2018年、乗用車を時速約146キロで運転中にタクシーに衝突、乗客ら4人を死亡させたなどとして自動車運転処罰法違反の罪に問われた元会社社長、末広雅洋被告(58)の控訴審判決で、名古屋高裁は12日、懲役7年とした一審津地裁の裁判員裁判判決を支持し、検察、弁護側双方の控訴を棄却した。

乗用車の運転が、同法で定める「危険運転」と言えるかどうかが争点で、20年6月の一審判決に続き、二審もこれを認めず同法違反の過失致死傷罪に当たると判断した。

堀内満裁判長は判決理由で、被告は事故を避けようと車線変更していたとして「衝突するまで、自車の進路を制御できなかった事実は証明されていない」と指摘。

被告の運転は「身勝手極まりなく、常識的に見て危険な運転であることは言うまでもない」としたものの、法律上の危険運転と言うには「制御困難な高速度」であることが必要だとして、同法違反の危険運転致死傷罪には当たらないと判断した。

一方で「悪質さは、他の過失致死傷事案との比較において類を見ない」と非難、同法違反の過失致死傷罪の法定刑上限を言い渡した一審は正当だとした。

二審判決などによると18年12月29日夜、津市本町の国道を時速約146キロで運転中、道路左側の駐車場から中央分離帯に向けて横断してきたタクシーの右側面に衝突、運転手と乗客計4人を死亡させるなどした。

一審で検察側は同法違反の危険運転致死傷罪に当たるとして懲役15年を求刑、危険運転が認められなかった場合の予備的訴因として同法違反の過失致死傷罪を追加し懲役7年を求刑していた。弁護側は過失運転を主張し執行猶予を求めていた。

控訴審では検察側は危険運転を再び主張、弁護側は量刑不当を訴えていた。〔共同〕

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