中日信金「ゼロゼロ融資」不正判明 取引先の業績改ざん
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愛知県を地盤とする中日信用金庫(名古屋市)は12日、新型コロナウイルス禍を受け売り上げが減った企業向けに国の支援で実質無利子・無担保とする「ゼロゼロ融資」を巡り、認定を受けるため取引先の業績を改ざんしていたことが内部調査で判明したと発表した。職員が取引先の売り上げを書き換えるなどしたうえで、信用保証協会の承諾を得て貸し付けを実施していた事例があった。
中日信金によると、これらの貸し付けについて「ゼロゼロ融資の要件に合致しない可能性がある」という。
内部調査を進め、これまでのゼロゼロ融資の全件を調査して最終的な調査結果がまとまり次第、発表する。開示資料で「全容解明を最優先とすべき経営課題とし、全力で調査に取り組む」とコメントした。こうした不正が起こった原因の特定や再発防止策、責任の明確化に取り組むという。
中日信金は名古屋市北区に本店を構え、愛知県内に21店舗展開する。22年3月末の預金残高は3420億円、貸出金は1792億円だった。
「ゼロゼロ融資」は返済が滞っても最終的に政府が保証する制度。自治体からの利子補給で通常より高い金利を得られ、低金利が長引く中で地域金融機関にとっては収益の改善につながっていた。
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