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トヨタ、35年に自社工場のCO2排出実質ゼロ 目標前倒し

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トヨタ自動車は11日、2035年までに世界の自社工場で二酸化炭素(CO2)の排出を実質ゼロにする目標を発表した。これまで50年に達成するとしていた目標を前倒しした。世界で温暖化ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンゼロ」に向けた取り組みが進み、自動車でも生産から廃棄までのCO2排出量を重視する動きが広まっている。

トヨタは自動車の塗装や、鋳造工程に新技術を取り入れ、生産に伴うCO2排出を抑える。再生可能エネルギーの利用を増やす。同日、オンライン記者会見を開いた岡田政道チーフ・プロダクション・オフィサーは「カーボンニュートラルについては生産工程においても達成していくのが当然の取り組みになる」と話した。

モーターなどの動力を使わずに重力を利用した単純な仕組みで部品を運搬したりする「からくり」も「究極のカーボンニュートラル装置」(岡田氏)として導入を広げてCO2排出を減らす。またCO2の排出削減量を証書化した「クレジット」も購入する。

トヨタは連結対象の企業も含めて19年に世界の工場で約568万トンのCO2を排出している。自社の工場でのCO2排出量は、車の原材料調達から生産、使用、廃棄までの全体の2%に満たない。自動車の電動化や工場内にとどまらない供給網全体でのCO2削減の取り組みが急務になっている。

トヨタは脱炭素化に向け、30年に電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)など電動車の販売台数を現在の4倍弱に当たる約800万台にする計画を掲げる。50年には世界の新車走行時の平均CO2排出量を10年比で9割減らすことも目指している。

トヨタは直接取引している世界の主要部品メーカーに対しても、21年のCO2排出量を前年比で3%減らすよう求めており供給網全体での脱炭素化を進めている。海外では独ダイムラーが39年に供給網全体でのカーボンニュートラル達成を計画している。

世界自動車大手の目標を見ると、CO2削減では高級車メーカーが先行する構図だ。

独フォルクスワーゲン(VW)は、中核の「VW」ブランドで25年までに生産時の1台あたりCO2排出を15年に比べ半減させる目標を掲げる。23年までに欧州のほぼすべての工場で再生エネルギー由来の電力を100%使い、30年までに中国を除く全世界に広げる計画で、VWブランドではすでに2工場で実質ゼロを達成している。VW傘下のポルシェは独国内の工場ですでに排出量実質ゼロを達成している。

BMWは21年中に全工場で排出量を実質ゼロにする目標だ。生産時の1台あたりCO2排出は30年までに19年に比べて80%減らす。高級車世界最大手の独メルセデス・ベンツも22年までに全世界の自社工場で排出量を実質ゼロにする計画を示している。

日本企業では、日産自動車が1月、2050年に工場を含むすべての事業活動でCO2排出量を実質ゼロにする計画を発表した。生産など事業分野ごとの目標はまだ明らかにしていない。

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