津市、市営温浴施設を民活で再生 福祉型宿泊施設に

津市は10日、市内の榊原温泉にある市営の日帰り温浴施設「津市榊原自然の森温泉保養館」(通称「湯の瀬」)をリニューアルし、民間企業に外部委託すると発表した。8月28日に再オープンする。愛知県南知多町で介護や介助を必要とする人向けの宿泊施設を運営するなど、36拠点で事業を手掛けるマザーズ(名古屋市)が運営会社となる。
マザーズは同様の福祉型宿泊施設、一般も利用できる日帰り温浴施設やキャンプ場、飲食店を備えた拠点として再生する。入浴や宿泊で年間25万人の利用を目指す。
湯の瀬は1988年から営業を始め、一時は年間27万人が利用した。ただ施設の老朽化もあり、2017年には年間利用者が16万人に落ち込んだため、施設のあり方を見直すのを機に運営も民間に委託することにした。
民間3社から再整備の提案を受け「福祉型の宿泊施設で、既存の地元旅館とも競合しない」(前葉泰幸市長)点に着目し、マザーズなどのグループを指定管理者に決定し、まず20年間の運営を任せることにした。同社の整備方針を踏まえ、津市は総事業費約12億円をかけて施設を再整備した。約2万平方メートルの敷地に、3階建ての福祉型宿泊施設(全16室)、キャンプ場やオートキャンプ場を整備し、羊の肉を味わえる飲食施設も置く。地元の農産物の直売所も設ける。
マザーズが三重県に進出するのは初めて。「南知多町での福祉型滞在施設の運営で手ごたえが出た」(野口恵介社長)として、三重での事業開始でさらに幅広い利用を目指す。
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