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中部地銀の預金、6800億円増 コロナ融資「温存」も

中部地銀の預金が大幅に増えている。2020年12月末の残高は8行合算で30兆2500億円超と、3カ月前に比べて約6800億円増えた。増加幅は貸出金の2倍で、中堅の信用金庫に相当する規模だ。当面の返済や金利負担のない制度で受けた融資がそのまま預金に積み上がっている。預金の増加は銀行の経営効率を下げかねない。

預金残高は昨年5月、新型コロナウイルス下で実質無利子・無担保融資の取り扱いが始まった以降に急増した。目先の資金需要はないが「保険」のような目的でひとまず借り入れた事業者のお金が銀行預金に回った。資金がある程度行き渡ったことで貸出金の伸びは縮小。預金も9月末では小幅な伸びにとどまったが、12月末は一転して大幅に増えた。

大垣共立銀行は12月末の貸出金残高が3カ月前比で0.6%増だったのに対し、預金は1.3%増えた。名古屋銀行百五銀行も預金の伸びが貸出金を上回った。

背景にあるのが事業者や個人の先行き不安だ。コロナの感染が収束する気配は見えず「節約志向の高まりが個人預金の増加につながっているようだ」(名古屋銀行)。コロナ関連の給付金や協力金も余剰分は預金に向かう。

地銀は預金で集めた資金を貸出金に振り向けるほか、国債や地方債で運用している。世界的な金利低下で有価証券の運用収益は期待しにくい。地銀が日銀に持つ当座預金に預けると、マイナス金利により収益はかえって減ってしまう。

預金の必要以上の増加は経営効率に響く。銀行の保有する総資産が膨らみ、利益水準が同じなら総資産利益率(ROA)を押し下げる要因になるからだ。「積み上がる預金を有効に使う手段が見当たらない」。ある地銀関係者は頭を抱える。

中部地銀の20年4~12月期決算が10日、出そろった。本業のもうけを示す実質業務純益は8行中、6行が前年同期比でプラスだった。貸出金の増加で金利収入が増えた。十六銀行や大垣共立銀行は採用抑制に伴う従業員の減少により費用が減った。

不良債権処理にかかる費用と融資先の経営悪化に備えて積む引当金を足した与信関係費用は7行で増えた。企業倒産は今のところ低水準で推移しており「与信費用は想定の範囲内だ」(大垣共立銀行)という。コロナ下で営業を自粛する飲食店などの経営は厳しさを増し「先行きは不透明」との声はなお多い。(湯浅兼輔)

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