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GW、中部の観光回復は道半ば 新幹線はコロナ前の8割

新型コロナウイルス禍で初めての行動制限のないゴールデンウイーク(GW)が明けた。公共交通機関の利用や観光地の人出は2021年にくらべ大幅に増加したものの、東海道新幹線の利用が18年実績の8割にとどまるなど、コロナ禍前の水準には達しなかった。観光地や宿泊施設はにぎわいを取り戻しつつあるが回復は道半ばで、自治体は観光支援策で後押しする。

JR東海は9日、今年のGW中(4月28日から5月8日まで)の東海道新幹線の利用状況を発表した。「まん延防止等重点措置」が適用された21年の2.7倍となった一方、コロナが流行する前の18年に比べ20%減った。期間中、今年は計310万4千人が利用した。在来線は21年の2倍ほどで13万3千人が利用した。

中日本高速道路(NEXCO中日本)によると、管内の交通量は21年にくらべ29%増えた。ただ、コロナ禍前の19年にくらべて8割の水準にとどまった。10キロメートル以上の渋滞が103回で、21年の3倍弱に増えたものの、コロナ禍前の半分だった。

観光施設でも客足は伸びた。名古屋城のGW(4月29日から5月8日まで)中の来場者数は1日あたり9160人で、21年の3倍弱だったが、コロナ禍前とくらべて4割減となった。名古屋市の東山動植物園の入場者数も21年の2倍弱に達したものの、コロナ禍前にくらべて3割少ない。

名古屋城や東山動植物園を管理する名古屋市によると「外国人観光客がほとんど回復していない。コロナ禍で事前予約制を導入したことも影響しているようだ」としている。

コロナ禍前にくらべて人出が上回った場所もある。NTTドコモのモバイル空間統計を使って5月3~5日の正午の人出を分析したところ、国宝犬山城(愛知県犬山市)の周辺では、天皇陛下の即位で10連休となった19年の同期間にくらべて32%増えた。名古屋市の繁華街、栄周辺でも9%増えた。

名古屋マリオットアソシアホテル(名古屋市)のGW(4月28日から5月8日まで)期間中の稼働率は70%ほどだった。コロナ禍前より10ポイントほど低いが、大本茂総支配人は「21年にくらべ、近隣の県だけでなく全国からの来訪客が増えた。海外旅行にまだ行きづらい分、国内のホテルの少しぜいたくなプランを選ぶ方も多かった」と話す。

ただ、多くの場所では19年より人出は少なかった。中部の他の主要観光地でNTTドコモの人出データを比較したところ、19年比で名古屋駅周辺では10%減、リアス式海岸で有名な英虞湾を望む景勝地である三重県志摩市の賢島駅周辺では28%減、「古い町並み」を目当てにした観光客を集める岐阜県高山市中心部で8%減だった。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの塚田裕昭主任研究員は「行動制限で我慢してきた分、少しは遠出しようと考えた人が多かったのは当然だ。ただ、人出は増えているが、コロナ前の水準に達するにはまだ道半ば」と語った。

9日から愛知、岐阜、三重県は、県民や周辺自治体の住民が宿泊する料金を補助する「県民割」などの観光支援事業を再開した。愛知県ではすでに同事業を通した予約が9日朝時点で9393件にのぼった。外国人観光客の回復がまだ見通せないなか、観光事業者からは需要の拡大を期待する声もある。感染防止と経済再開を両立できるかが問われている。

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