名鉄ニューグランドホテル、22年2月末に営業終了

名鉄グランドホテルは9日、名古屋駅前の名鉄ニューグランドホテルの営業を2022年2月末で終了すると発表した。新型コロナウイルスが流行して宿泊客数は以前の3~4割にとどまっており、厳しい経営が続いていた。
名鉄ニューグランドは名古屋駅太閤通口から徒歩1分のシティーホテルで1985年に開業した。レストランや宴会場を備え、156 室の客室は新型コロナが広がる前は8割ほどの稼働率だった。ただ利用客の多くを占めた出張客が、最近は大きく減っていた。

加えて同ホテルは宴会部門の売上比率が他のホテルよりも高い。宴会の自粛は当面続くと判断した。開業から36年近くたち老朽化も課題で、建物の賃借契約が期限を迎えるのに合わせ閉鎖する。従業員はグループ内のホテルへの再配置などを検討する。
名駅周辺では2010年代に訪日客が増え、東京五輪やリニア中央新幹線の開業も見越してホテル開発も急速に進んできた。名鉄グループだけでも周辺に5つのホテルを持つ。ライバルとの競争も激しくなっていた。名鉄ニューグランドは駅前のビル7階から12階に入居しており、建物を持つ日本生命保険は「営業終了後の活用方法については決まっていない」という。
名古屋市内では競争や新型コロナの影響で老舗ホテルの閉鎖が相次いでいる。ワシントンホテルが運営していた名古屋国際ホテルは20年9月に営業を終了。約300の客室を持つ名古屋栄東急REIホテルも新型コロナで客足が鈍り、22年3月末に営業を終える。
名鉄グループでは21年3月期にホテル事業の営業収益が前の期比67%減の59億円だった。21年3月にはANAホリデイ・イン金沢スカイの運営会社の株式を売却、ビジネスホテルの豊鉄ターミナルホテルも20年9月末に閉鎖した。7月からは中間持ち株会社の下に7つのホテル会社を集約した。営業協力に力を入れる一方、人材育成や資材調達を一本化して運営コストを抑える。