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愛知知事、全医療機関にコロナ患者受け入れ要請へ

(更新)

愛知県の大村秀章知事は8日、県内全ての医療機関に新型コロナウイルスの患者を受け入れるよう近く働きかける文書を出す方針を明らかにした。県の感染者は連日1万人を超え、専用病床の使用率は高止まりしている。専門家からは「コロナ診療は通常医療で対応できる」という声も出ており、県は新たな補助金も設けた。文書には法的拘束力はないとしているが、一部の医療機関に負荷が集中していた現状の転換を促す。

コロナ感染の疑いのある患者も受け入れる「発熱外来」を設ける医療機関は6月末時点で愛知県内に2123カ所ある。2021年10月時点で病院や診療所(歯科を除く)は県内に約5900ある。この中には眼科など診療科目が限られる医療機関もあるが、依然として県の医療全体でコロナ患者を受け入れているとは言いがたい。

医師法19条で、診療医は患者から診察の求めがあった場合、正当な理由がない限りは拒めないと定められている。ただ、小さいクリニックなどでは院内感染を防ぐため一般の患者と発熱患者を区分けする対応が難しい。そのため愛知県は「個別の医療機関を指導するのは難しい」としており、一部の医療機関は患者を受け入れていないのが実態だ。

重症化率は低下している。愛知県では人工呼吸器が必要だったり集中治療室での治療を受けていたりする患者を重症者としている。感染初期の20年2~4月の「第1波」で重症者は感染者全体の11%を占めたが、現在の「第7波」では0.07%にとどまる。

愛知県内の重症者は7日時点で38人いるが、4日に開かれた愛知県コロナ対策本部会議で長谷川好規・部会長(名古屋医療センター院長)は「(重症化は)コロナによる毒性ではなく、誤嚥性肺炎や基礎疾患によるもの。コロナ診療は通常医療で対応できる状況になってきた」と指摘した。愛知県医師会の柵木充明会長も「(従来)コロナを引き受ける病院以外も、患者を受けることは避けられない」と述べた。

愛知県内ではコロナ専用病床を持たない病院も7日時点で658人のコロナ患者を受け入れている。愛知県は3日、コロナ専用病床を持たない病院がコロナ患者の転院を受け入れる場合、患者1人あたり1日3万円を出す制度を新設した。

愛知県のコロナ専用病床使用率は7日時点で76%。50%超をコロナ専用病床を増やす目安としていたが、大村氏は8日、コロナ病床を増やすと「(増やした分の)3~4倍の一般病床を削らなければならない」と、すぐに増やすことが難しいとの認識を示した。愛知県病院協会の幹部は「夏は熱中症だけでなく、心筋梗塞の患者などが増える。一般病床を削ればコロナよりも重篤な患者を診察できなくなる」と話す。

コロナは感染症法の分類で結核などと同じ「2類」相当との位置づけになっているが、季節性インフルエンザと同じ「5類」への変更が専門家の間で議論されている。豊田市の竹内清美・保健所長は4日の対策会議で、「1週間で住民の1%以上が感染する状況で、今までと同じ仕組みで対応するのはもう無理」と訴えた。

(田崎陸)

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