名古屋大、米国やシンガポールの大学に拠点 国際連携加速

名古屋大学は7日、米東海岸のノースカロライナ州立大学に共同研究や学生交流を進める事務所を3月に開設すると発表した。名大の教職員を置き、周辺大学とも交流する。欧米やアジアの有力大学に拠点を設ける「グローバル・マルチキャンパス」構想の第1弾となる。大学の競争力向上のため、国際連携を加速する。
2023年度にシンガポール国立大学、英エディンバラ大学、独フライブルク大学にも拠点を設置する。5年後に10大学への設置を目指す。同日、記者会見した杉山直学長は「米国の他地域やインドなどの大学と関係づくりを進めたい」と意欲を示した。
ノースカロライナ州立大に事務所用の部屋と教室を借りる。両大学が共同で企画した授業を実施するほか、名大からの留学生が名大の授業をオンラインで受講し、休学することなく4年間で大学を卒業できるようにする。名大の水谷法美副学長は「卒業が遅れるために留学をためらう学生もおり、留学に挑戦できる環境を整える」と話した。工学や農学に強いノースカロライナ州立大と共同研究も進める。
米国内で初となる名大の同窓会支部も1月、ノースカロライナ州に設けた。これまで15カ所にあった海外支部は韓国や中国、タイなどすべてアジア圏内だった。卒業生が各自の研究・業務分野について講演するオンラインセミナーなどを開催し、つながりを強める。寄付金募集も円滑にできるようにする。