新幹線内にビジネスブース JR東海、4月試験導入
JR東海の金子慎社長(66)は2021年12月31日までに共同通信のインタビューに応じ、東海道新幹線の最新車両「N700S」にビジネス用のブースを設置することを明らかにした。4月以降、3編成に試験導入する。7号車と8号車の間にある喫煙所を改装する。室内にはテーブルやコンセントを用意し「打ち合わせなどに利用いただけるようにする」とビジネス客の利便性を高める考えを示した。
環境性能に優れた新型の在来線特急車両「HC85系」を7月に特急「ひだ」に投入する計画にも言及。運転開始に合わせ沿線自治体と連携し観光促進の企画を展開する。
当初計画の2027年の開業延期が不可避な情勢のリニア中央新幹線については「期待に応えられず、申し訳ない気持ちがある」と言明。工事に伴う環境問題を巡って協議が難航する静岡県に対しては「地域の懸念を払拭できるよう会社を挙げてしっかり取り組む」と引き続き理解を求める意向を強調した。
JR東海は新型コロナウイルス感染拡大による打撃を受け、22年3月期の連結純損益が2年連続赤字の見通し。金子氏は、オミクロン型の広まりや心理的な制約から外出を控える動きが残ることを指摘する一方、「国内の感染状況が落ち着いており、鉄道の利用は回復していく」と予想し、23年3月期は「ぜひ黒字にしたい」と語った。〔共同〕