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トヨタ系ウーブン、自動運転地図をサブスク型で提供も

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

トヨタ自動車傘下のウーブン・プラネット・ホールディングス(HD)が自動運転に必要な地図データを生成するAMPと呼ぶ事業に力を入れている。2021年に入り、いすゞ自動車やトヨタ傘下の日野自動車、三菱ふそうトラック・バスとの連携を発表、8月には道路情報の解析技術を持つ米スタートアップのカーメラを買収した。自動運転事業を統括するバイスプレジデントのマンダリ・カレシー氏に強みや展望を聞いた。

――ウーブンが手がけるAMPの特長は。

「測量車を使って非常に高精度な地図を作る会社はある。ただAMPはクラウドを活用し、車のドライブレコーダーなどから得られる情報から自動運転に必要なレベルの地図データを作成するプラットフォームだ。データ解析を含めたサービスも手掛け、様々なアプリケーションを作ることもできる。実現には商用車の活用がポイントで、物流業界や開発者を巻き込んでデファクト(業界標準)として認識されるようにしたい」

――どれくらいの車をつなげて地図データの作成を進めますか。

「トヨタの車両からのデータ供給も検討している。何百万台も必要としないが、できるだけ多くの台数と少ない通信量で必要な情報だけを抽出する必要がある。生活道路までカバーするには、クラウドによってどのデバイスからでも情報がとれる汎用的な基盤が必要になるためAMPには優位性がある。弊社のAMPには衛星や航空写真のデータも活用できるので、一気に広範囲をカバーできる」

――地図データをどのように活用するイメージをしていますか。

「傘下のウーブン・キャピタルが最近投資した、米ニューロという会社が参考になる。スーパーから家庭に食材などを自動搬送する小型車両を扱っている。近くのスーパーまでの地図データが必要になる。今までは高額な測量方法で地図を作っていたが、AMPを使うことで広範囲の高精度地図が提供できる。AMPの地図データを使うことで新しいラストワンマイルのロボティクスプレーヤーも発展できるようになる。再配達にも活用できるとみている」

――地図データが自動運転以外に活用されることもあるのでしょうか。

「三菱ふそうとは既存のトラックの運転支援機能にも生かしていく。さらに世界でスマートシティー化が進めば、街中のあらゆる設置物がネットにつながるIoT化が進む。管理が複雑になることが予想され、地図データが活用できると考えている」

――どのように収益を上げる方針ですか。

「まだ商用化していないので具体的には言えないが、『1台いくらで地図データを車に入れればおしまい。ときどき更新される』ということではなく、サブスクリプション(定額課金)のモデルもあると考えている。アプリの開発者にデータを加工・解析して提供することで継続して収益をもらう形だ」

――米カーメラを買収しました。

「普及型のカメラからどこまで高精度な地図ができるか目標を持っていた会社だ。我々は地図を作るのが得意で、カーメラはいろんなデバイスから道路の変更点をきれいに抽出することが得意だ。お互いにやるのではなく、協力ができればシナジーを発揮できる。(AMPは)日本をベースにスタートしているが、次は米国にも展開していきたい。21年末までにはサービスを展開できないか考えている」

高度な自動運転には高精度の地図データが不可欠になる。ただ地図データはいかに高頻度で更新し、かつ効率的に生成できるかが課題になる。そこでトヨタ自動車がウーブンHDを通じて進めるのがAMPだ。AMPは車両が走行する際に得る道路データや衛星画像をもとに、高精度地図を作製してクラウド上で提供するサービスだ。

商用車は台数規模で国内の自動車全体の2割にとどまるが、走行距離では4割を占めるとされる。こうした事情もあり、トヨタは主要商用車メーカーと矢継ぎ早に仲間作りを進めてきた。全国の道路をきめ細かくカバーする商用車を通じ、AMPに必要なデータ基盤を整える狙いだ。

地図データのサービスは米グーグルなども先行するが、自動車を通じて自動運転に必要なデータを収集する基盤構築までには至っていないとみられる。地図データの基盤はスマートシティーなど様々な応用も可能とみられ、競争の激化が予想される。買収や企業との提携を進めてトヨタ発のエコシステムをいち早く確立できるかが、競争を勝ち抜くカギを握りそうだ。(名古屋支社 福本裕貴)

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