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愛知の新興拠点 ソフトバンク幹部「ノウハウ全国展開」

愛知県は7日、名古屋市に設けるスタートアップ育成拠点「ステーションAi」の整備・運営をソフトバンクに任せる基本協定を結んだ。同社は特別目的会社(SPC)、STATION Aiを1日立ち上げた。社長に就いたグループの起業サポート会社、SBイノベンチャー(東京・港)の佐橋宏隆事業推進部部長は日本経済新聞の取材に「製造業が多い愛知で新産業を興せれば全国にノウハウを展開できる」と意欲を示した。

――なぜ愛知県でスタートアップ育成に取り組むのですか。

STATION Aiの佐橋宏隆社長

「これまで日本経済は製造業が支えてきた。その最たる例が愛知県だ。愛知で新しい産業を興すことができれば、愛知モデルのノウハウを他の地域にも展開できる。我々はスタートアップ育成施設を運営した経験は無いが、ソフトバンク社内の起業制度では7千件のアイデアを出し17件を事業化した。こうした経験を生かせる」

――どのような企業に入居してほしいと考えていますか。

「創業する前の人にも来てもらう。そのため起業しやすいIT(情報技術)企業が多くなるのではないか。愛知以外の地域からも来てもらいたい。スタートアップは様々な(経営ノウハウを伝える)イベントや支援プログラムを原則として無料で受けられる。入居していない企業でも受けることができる」

――スタートアップ育成拠点は愛知にも複数あります。ステーションAiの強みは何でしょうか。

「アイデアもない段階の起業家から、新規株式公開(IPO)直前の企業まで、一つ屋根の下にすべてそろう施設は日本にない。家賃は周辺施設に比べて半分くらいの水準にする。県の補助がある。空室が出ても県が一定の補助をしてくれるため、我々は企業への支援に注力したい」

――佐橋社長の起業経験を教えてください。

「新規事業が大好きで、太陽光発電事業の立ち上げや社内起業の促進、企業育成に関わってきた。三重県桑名市の出身で高校生まで住んでいた。名古屋にもよく遊びに来ていたのでなじみがある。2022年度には名古屋に引っ越して、この事業に集中したい」

(聞き手は山崎純)

ステーションAiは2024年に開業、国内外からリモート参加を含めて1千社を集め日本最大級のスタートアップ育成拠点を目指す。ソフトバンクがこうした施設を整備、運営するのは初めてながら、海外ネットワークも生かして愛知で創業した企業の海外展開を後押しする。

国内外の起業家との交流プログラムを取り入れる。ソフトバンクは持ち株会社のソフトバンクグループも交えIT(情報技術)企業を中心に世界でスタートアップ投資を進めている。出資先や取引先をステーションAiに入る企業に紹介、海外への展開を後押しする。主に愛知県の企業に投資するファンドも立ち上げる。

記者会見で基本協定書を手にするソフトバンクの宮川社長㊧と大村愛知県知事(7日、東京都港区)

ソフトバンクと愛知県は7日、都内で記者会見を開き同社の宮川潤一社長は「我々は会社づくりにもたけている。ノウハウを注入して日本をけん引する次世代のスタートアップを育てたい」と述べた。「関西にも、九州にも、北海道にもこういう拠点を作れるように活動してきたい」という。

愛知県の大村秀章知事は「ソフトバンクの大きなグローバルネットワークをいかして有機的な化学反応を起こしたい。世界にしっかり発信できるスタートアップ拠点を作りたい」と力を込めた。

ステーションAiは民間資金を活用して公共施設を運営する「PFI事業」。整備・運営を担う特別目的会社のSTATION Ai(名古屋市)の従業員は12人。県は設計・建設の費用として143億円をソフトバンクに払い、施設は完成後に県の所有となる。ソフトバンクは10年間の運営権を2.6億円で手に入れる格好だ。

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