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「がっかりにも慣れた」宣言延長 中部の街に落胆と納得

「当然延長でしょうね」「もう経営が続かない」。愛知や岐阜など10都府県への緊急事態宣言が3月7日まで延長されることになり、街ではため息が漏れた。新型コロナウイルスの感染抑止のために納得する人もいるが、厳しい経営が続く飲食店主はやり場のない思いを口にした。

名古屋駅周辺を行き交う人たち(2日、名古屋市中村区)

「前回の宣言時と比べて人出が多く、全体的に緊張感がない。しっかり感染を抑え込まないと、宣言を出した意味がない」。愛知県東浦町の男性会社員(24)は今回の延長を当然と捉え、期限の3月7日は「最低限のラインだ」と話す。

勤め先のアパレル会社は昨秋以降、忘年会もすべて禁止に。多くの同僚が料理宅配サービス「ウーバーイーツ」で昼食を注文し、それぞれの机で食べている。「3月に宣言が解除されても、歓送迎会を開く雰囲気には到底ならないでしょうね」。男性は寂しそうに語り、テークアウトの弁当を抱えて職場に戻った。

名古屋市西区に1人で暮らす女性(95)は「こんなに感染者が多いのだから延長は仕方ないね」とこぼす。感染を恐れ、春日井市に住む息子とはしばらく会っていない。「ずっと家に閉じこもっているが、本当は外に出て、近所を散歩したい」。この日は自身の過去の入院費の支払いで病院を訪れたが、どこにも寄らずに帰宅した。

県の要請で営業時間の短縮を続ける飲食店の経営者らの失望は大きい。繁華街の栄地区で小料理店「桜びより」を営む近藤貴代さんは「いつまで続くのだろう」とため息をつく。時短営業は昨年11月末から続き、足元の売り上げはコロナ前の6割ほど。団体客は消え、仕事帰りに1人で訪れる客がちらほらいるだけだ。

いざというときのためにと金融機関から借り入れた資金を取り崩す状態が続く。近藤さんは「従業員の生活もある。給料を払うためにも店は続けたいが、このままでは持たない」とこぼした。

「緊急事態宣言」と書かれたボードを掲げて記者会見する愛知県の大村秀章知事(2日、県庁)=共同

教育現場も対応を迫られる。名古屋市立清水小(北区)は感染状況や緊急事態宣言の延長を受け、3月に予定する卒業式の規模を縮小する方針を決めた。来賓は呼ばず、保護者の参加も1家族2人に限る。

恒例となっていた卒業生による将来の夢の発表も取りやめる予定。鈴木登美雄校長は「子どもたちの一番の見せ場だが、感染防止のためには仕方がない」。感染状況を踏まえて教育委員会や周辺の学校と話し合い、さらに内容を見直すことも検討するという。

名古屋市内で新型コロナ患者を受け入れる病院関係者は「新規患者数は減ってきているが、病床の逼迫具合を考えれば延長は当然だ」と指摘する。ここ数週間、ほぼ満床の状態が続く。「もうしばらくの辛抱と励まし合いながらなんとか耐えている。ここで気を緩めて再び患者が増える状況になれば、気力が持たない」と訴えた。

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