豊田章男氏、自工会会長を続投 慰留の声で辞意撤回

日本自動車工業会(自工会)は23日、会長職を退任する意向を表明していた豊田章男会長(トヨタ自動車社長)が4月以降も続投すると明らかにした。豊田氏は4月1日付でトヨタ社長を退任することから自工会会長について辞意を表明していた。自工会内で改革を進めてきた豊田氏の留任を求める声が強まり、本人も退任の意向を撤回した。
豊田氏の残りの任期は2024年5月まで。会長や副会長、理事といった自工会の幹部には、会員企業の現役社長が就任すると決めており、1月に豊田氏は自工会会長を退任する意向を伝えていた。自工会の幹部らは1月下旬以降、複数回にわたって会合を開き後任調整などの対応を協議してきた。
自工会は10月、従来の「東京モーターショー」から名称を変更し出展企業などを車業界以外からも募る「ジャパンモビリティショー」を開催する予定だ。新型コロナウイルス禍の影響で4年ぶりの開催となる。同イベントの開催などは豊田氏が旗振り役を担ってきたこともあり、続投を望む声があがったもようだ。
自工会会長は1期2年で交代するのが2000年以降の慣例でトヨタとホンダ、日産自動車が持ち回りで務めてきた。豊田氏は18年の就任から異例の3期目に入っている。トヨタからは4月に社長に就任する佐藤恒治氏が新たに自工会の副会長に就く。
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