LIXIL、排せつ物の状態をAI解析 老人ホームで実証開始
LIXILは1日、老人ホーム入居者の排せつ物の状態を人工知能(AI)で解析する実証実験を始めたと発表した。排便状況の把握は健康を管理する上で重要な項目だが、入居者の記憶が曖昧だったり、介護士への報告に抵抗感を覚えたりするケースが多かったという。

愛知県大府市の介護付有料老人ホーム「フラワーサーチ大府」で、1日から実証を開始した。施設内のトイレの便座裏に画像センサーを取り付け、排便後の写真を撮影。AIで排せつ物の形状を7パターン、大きさを3パターンに分類し、システム上に自動で記録する。
これまでは入居者が自己申告し、介護士が書類に記入していた。新システムでは排せつ物の形状、大きさ、排せつ時間帯などの情報が一覧できるため、入居者の体調をより正確に把握できるようになる。このほかトイレに入室・着座した際に、介護士のスマートフォンに自動通知する仕組みも導入した。
サービス開発に向けて、LIXILは愛知県常滑市の研究拠点内のトイレに、同様のセンサーを設置。社員の協力を得て約3000枚の排せつ物画像を収集し、AIに読み込ませたという。
記者会見したデザイン・新技術統括部の白井康裕統括部長は「トイレの介助は非常に神経を使う業務だが、自動化することで職員負担を軽減できる。今後もタイムリーな製品開発をしていきたい」と話した。
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