エア・ウォーター北海道、東神楽町でサーモン陸上養殖

産業ガス大手のエア・ウォーターの全額出資子会社、エア・ウォーター北海道(札幌市)は1日、北海道東神楽町でサーモンの陸上養殖を始めると発表した。実験プラントを2023年2月にも開設し、2年後めどに約20トンを出荷する。魚の養殖と水耕栽培を合わせた「アクアポニックス」も進める。
農地の広がる東神楽町志比内(しびない)地区に、敷地面積4290平方メートルの民有地を購入した。飼育(真水)や仕上げ用(人工海水)水槽を4台ずつ備える約1000平方メートルの施設を9月に着工する。投資額は非公表。
プラントはフィルターでろ過して水をリサイクルする半密閉循環式を採用する。飼育水に酸素を溶かして成長を促し、自然界で育てるときの半分にあたる約2年で出荷できるという。魚の排せつ物を植物の栄養素に変え、アスパラガスなどの水耕栽培にも取り組む。ウニ養殖の研究もする。
加藤保宣社長は「第1次産業が盛んな北海道は高齢化などが課題だ。水産業では温暖化などの問題がある。おいしいサーモンをつくり収益モデルを確立する」と説明する。東神楽町と連携協定も締結。育てたサーモンをふるさと納税返礼品に活用することなども検討する。
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