商工中金、北洋銀行・北海道銀行など3行と企業支援協力

商工組合中央金庫(商工中金)は25日、北洋銀行とほくほくフィナンシャルグループ(FG)傘下の北海道銀行、北陸銀行の3行と、企業の事業再生や経営改善の支援で協力する契約を結んだ。商工中金が各行に企業支援のノウハウを提供し、協調融資や再生計画策定の共同支援に乗り出す。
商工中金と各行の間で過去の企業再生事例を情報交換するほか、必要があれば商工中金を通じて中小企業活性化協議会など第三者機関とも連携する。全国にある商工中金の取引先と、各行の取引先をつなぐビジネスマッチングもする。各行の職員向けに支援の手法や手続きについて勉強会を開く。
札幌市内で同日開いた締結式で、商工中金の萩尾太常務執行役員は「地域金融機関と連携できれば、経営改善が早くなる」と述べた。北洋銀の松岡宏治常務執行役員も「全国展開している商工中金にはノウハウが蓄積している」と期待感を示した。商工中金はこれまでに全国105の金融機関と同様の契約を結んでいる。
北海道でも新型コロナウイルス下における実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が始まっているが、足元の物価高や人手不足が企業の資金繰りに影響している。東京商工リサーチ北海道支社によると、2022年12月時点で道内企業123社のうち約3割がゼロゼロ融資の返済について「猶予を受けている」「懸念がある」と回答した。
道銀の佐々木剛取締役は「(ゼロゼロ融資は)4月から返済開始のピークを迎える。顧客の資金繰り、再生支援に力を入れたい」と語った。
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