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インターステラ、大型ロケット構想 30年代に打ち上げ

ロケット開発のインターステラテクノロジズ(IST、北海道大樹町)は24日、大型ロケット「DECA(デカ)」を2030年代に打ち上げると発表した。超小型人工衛星を最大で数万基搭載でき、軌道上に打ち上げて一体的に運用する。創業者の堀江貴文氏は「有人飛行も10年以内に実現したい」と述べた。

デカは全長50メートル前後、重量は数百トンになる見通し。合計で10トン以上の荷物を運べ、数百グラムの超小型人工衛星であれば数万基搭載できる。

国産大型ロケット「H2A」(全長53メートル)と高さはほぼ同水準。2月12日に初飛行が決まった日本の次期主力ロケット「H3」は全長63メートルだ。

低い軌道などに打ち上げた多数の小型衛星を束ねて、一体的に運用する「衛星コンステレーション」の構築を目指す。

いくつかの衛星が壊れても互いに補完できるように衛星同士が群れをなして飛行させる方法も検討する。衛星の集合体がスマートフォンなどと直接交信するため、通信速度も上がるという。

稲川社長、打ち上げ費用「国産ロケットの10分の1に圧縮」

稲川貴大社長は打ち上げ費用を「国産ロケットの10分の1に圧縮したい」と意欲を示した。H2Aは打ち上げに約100億円かかる。実現できれば10億円前後まで下がる。

大型ロケットで一般的な、機体の再利用も検討する。イーロン・マスク氏が最高経営責任者(CEO)を務める米スペースXの戦略を参考にした。

ISTは人工衛星開発子会社のOur Stars(大樹町)を21年に設立し、人工衛星開発からロケット打ち上げまで一貫して自社で担う体制を構築した。他社よりも事業展開のスピードを早めるのが狙いだ。

堀江氏は「政府やJAXAが発注するやり方ではスピード感で世界にかなわない」と指摘した。

業界関係者の反応は上々だ。宇宙開発スタートアップの将来宇宙輸送システム(東京・港)の畑田康二郎社長は「長期の技術開発のロードマップでやることがクリアになる」と評価する。

ISTは13年設立し、ロケットの打ち上げ実験は17年に始めた。人工衛星を積まない観測ロケット「MOMO」はこれまで7回実験し、成功は3回にとどまる。計画通りに進んでいるわけではない。

超小型衛星打ち上げ用ロケット「ZERO」開発に遅れ

開発が進む超小型衛星打ち上げ用ロケット「ZERO(ゼロ)」の打ち上げ時期は24年度にずれ込む。従来は23年度中を予定していた。稲川社長は「新型コロナウイルスの感染拡大や物流の混乱で開発が遅れた。発射台の利用開始は24年度にずれ込んだ」と説明した。

宇宙開発評論家の鳥嶋真也氏は「エンジンに燃料を送るターボポンプが肝だ。国産ロケットもつまずいた開発が難しい部品だ」と指摘する。まずはゼロの打ち上げを成功することが、デカへの道を切り開く上でも欠かせない。

(神野恭輔)

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