旭川電気軌道、1963年製8輪レトロバスを復元

路線バスの旭川電気軌道(北海道旭川市)は21日、1963年製で8輪のタイヤが付いたレトロバスのレストア記念式典で復元車両を運行した。設計図が残っていない復元作業は15社以上の企業が協力し、約8000時間をかけた。2800万円かかったという。河西利記社長は「約60年前の車両をコツコツ修復した」と作業者をねぎらった。
車両は三菱ふそう製「MR430」で、78年に運行を終えた。バスは全長12メートルで座席は全て横向きのベンチ型。カタログ表記で110人乗車でき、運行する路線バスの約1.5倍の輸送力を持つ。2021年6月に当時の所有者から引き取りを持ちかけられ、26年に迎える創立100周年記念事業として復元をスタートした。
全ての外板と内装を解体。さび付いたフレームを切り出して新しい鉄材に取り換え、3000 本のリベットも打ち直した。パワステポンプやミラーなどは廃車にしたバスなどから流用して動作点検した。
車検も取得しており、河西社長は「路線運行の予定はないが、撮影会や特別なツアーなどで披露したい」と話した。
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