犬のがん研究費用、クラファンで募集 北海道大学

北海道大学大学院獣医学研究院の研究グループは、犬で多く発症するがん「血管肉腫」の基礎研究に必要な費用をクラウドファンディング(CF)で募り始めた。目標は200万円。国内で年1万3000頭の犬がかかるとされる血管肉腫の治療法確立につなげる。
犬の血管肉腫の論文数は世界でも年40本程度と、3万本以上ある人間の乳がんと比べ格段に少ない。血管肉腫は症例は限られるものの、人間も発症する病気だ。青島圭佑助教は「犬と人間の血管肉腫はかなり似ている。犬で得られた結果を人間にも応用できるかもしれない」と期待する。
マウスに血管肉腫を移植し、プラスチック容器内で培養するより高い精度で分析可能な「PDXモデル」や、治療の標的を見つけるために個々の細胞を解析する「シングルセル遺伝子発現解析」などの手法で研究する。試薬や高額な機械を使用し、解析1回につき100万円ほどかかるという。
CFは1日から始め、18日時点で目標金額の3割強にあたる約70万円を集めた。12月26日まで募る。寄付金額に応じて、オンラインセミナーなどを開く。