コープさっぽろの移動販売車に信金ATM

コープさっぽろ(札幌市)と苫小牧信用金庫(北海道苫小牧市)は14日、ATM搭載の移動販売車を25日から運行すると発表した。小売事業者の移動スーパーに金融機関のATMを搭載するのは珍しい。コープさっぽろの大見英明理事長は「他の信金とも組み、北海道全体に広げたい」と語った。
北海道の胆振・日高地方にある平取町、むかわ町、厚真町、日高町と安平町を走る。生鮮品や日用品など約1000種類の商品を載せた移動販売車にATMを1台併設した。ATMは預金の預け入れと引き出し、通帳の記帳と繰り越しなどができる。毎週火曜~金曜日に利用可能だ。苫小牧信金と、提携する信金のキャッシュカード利用者は手数料が無料。

人口減少が進む過疎地域では金融機関が支店やATMを廃止するケースが相次いでいる。苫小牧信金は苫小牧市を中心に北海道内で28店舗(3月末時点)展開する。小林一夫理事長は「利用者が少ない店舗を閉鎖し、顧客に不便をかけている。買い物支援と金融サービスへのアクセス支援を同時に実現する画期的な取り組みだ」と述べた。
コープさっぽろは2010年から移動販売車を導入し、22年10月時点では北海道内で95台が稼働している。179市町村のうち135市町村が運行対象地域で、道内人口の7割をカバーしている。
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