北海道ガス、函館のコンブでブルーカーボン実験

北海道ガスは13日、北海道函館市で海藻が二酸化炭素(CO2)を吸収する「ブルーカーボン」の実証実験をすると発表した。まず養殖場の確保やノウハウを集める。
ブルーカーボンはコンブのような海洋植物が光合成によりCO2を取り込み、一部が海底に泥などとして長期貯留されることに着目した仕組みだ。北海道電力も北海道留萌市で手がけるなど道内各地で実験が進んでいる。
全国のコンブ生産量のうち北海道産は9割を占める。なかでも函館市のシェアは高い。道水産林務部の調べによると、2021年の道内コンブ生産量は1万2442トン。このうち函館産が26%を占める。
北ガスと函館市は20年に連携協定を結んだ。エネルギー利用や災害支援などのテーマで協力する。両者は13日、新たにカーボンニュートラル(温暖化ガス排出実質ゼロ)で連携することなどを盛り込んだ合意書を締結した。
脱炭素化ではブルーカーボンに加え、自社の家庭用燃料電池「エネファーム」や都市ガスを使って自宅で発電する装置「コレモ」の普及拡大を図る。導入費用の一部を市が補助する。発電では電気だけでなく同時に出る熱を暖房や給湯に使うため、エネルギー利用効率が高い。