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「オール北海道でワイン産業支援」 北海道や北大が新組織

北海道と北海道大学は13日、道内ワイン産業の振興に向けた新組織を設立したと発表した。道は経済界も巻き込み、ワイン生産参入者向けのプラットホームを設ける。北大もワイン基礎研究拠点を設立した。

新組織立ち上げの会合で鈴木直道知事は「産学官が連携し、オール北海道で生産者を支援する」と述べた。宝金清博学長は「各界の協力があり、スピード感を持って進められた」と話した。

北大が1日設立した「北海道ワイン教育研究センター」には、学内の8部局18人を充てた。北大農学研究院の西邑隆徳院長は「農学部に加え、教育学や工学、情報科学の分野からも募った」と説明した。

道と北大は2021年に包括連携協定を結んだ。プラットホーム立ち上げで両者のワイン産業における役割分担が明確になったほか、経済界もバックアップする。北海道経済連合会の真弓明彦会長は「組織発足で北海道のワイン産業が新たなステージに入った。食・観光との掛け合わせで波及効果を期待したい」と話した。

北海道内のワイン生産は海外からも注目が集まる。仏ブルゴーニュのワイナリーの日本法人であるド・モンティーユ&北海道(北海道函館市)は2023年にも、函館にワイナリーを設けて自社製ワインを売り出す。道産ワインは、国際ワインコンテスト「デカンターワインアワード2020」でも金賞を受賞した。

北大が立ち上げたセンターは、ワイン製造に関する土壌学や微生物学など専門的な研究、教育の拠点とする。23年度にもセンター棟が完成し、社会人向けに公開講座を始める。

道は農研機構の北海道農業研究センター(札幌市)、北海道経済連合会などと「ワインプラットホーム」を立ち上げた。道内で新たにワイン生産に携わりたい人に、農地やブドウ栽培の支援、また経営や栽培などの実務的な相談に乗る総合窓口としての役割を担う。

道内には21年11月末時点で生産者であるワイナリーが53カ所あり、10年間で約3倍に増えた。温暖化の影響もあるが、北海道も支援を続けてきた。15年度から「北海道ワインアカデミー」を開催し、生産者に醸造用ブドウの栽培や醸造に関する無料の講義を開いている。

北大でも21年に道やニトリホールディングスやコープさっぽろ(札幌市)などからの寄付で、寄付講座「北海道ワインのヌーヴェルヴァーグ研究室」を開設した。23年度まで年間2000万円の寄付を受け、北大の院生を対象にワイン醸造に関わる基礎的な研究や講義を開いている。

今後の課題は資金と人材だ。北大はセンター開設をきっかけに、ワイン研究拠点を寄付講座から「自前組織」へと転換を図る。公募される研究助成金などの獲得や公開講座の授業料などでの運営を目指す。これまでは研究資金の大部分を寄付でまかなっていた。

研究活動には設備や備品購入、また研究室の維持管理に人件費がかかる。センターが本格的にワイン研究の拠点として機能するには、研究資金の確保が求められる。そのためには優秀な研究者を募集しなければならない。

文部科学省では20年度から産学官連携拠点の形成に向けた大学の取り組みを補助する「共創の場形成支援プログラム」の公募を始めた。採択テーマにもよるが最大で10年間、1拠点当たり2億~4億円の委託費が出る。

(神野恭輔)

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