にっぽん丸、50回目の函館寄港 クルーズ復活に期待

クルーズ船「にっぽん丸」が6日、函館港(函館市)の若松埠頭に着岸した。1987年の初寄港から通算50回目。新型コロナウイルス禍で2019年11月以降、同港へのクルーズ船寄港は止まっていたが、にっぽん丸は3月に次いで今年2回目の寄港。8月までにあと5回クルーズ船が寄港予定で、すべてが日本船。今後、海外の大型クルーズ船の入港再開に向けて観光事業者らも期待を寄せる。
にっぽん丸は全長166メートル、総トン数2万2472トン。今回のツアー客は約330人で、乗船前のPCR検査や毎日の体温測定を実施している。夫婦で参加した埼玉県の60代男性は「船内の感染対策に問題はない。ゆっくりと観光を楽しめるのが船旅の魅力だ」と話した。乗客らは函館山や五稜郭など市内の観光名所のほか、松前町など近隣観光に出掛けた。午後5時に出港、岩手県の大船渡港に向かった。
市港湾空港振興課によると、コロナ禍前の19年に同港には国内外のクルーズ船が47回寄港し、過去最多を記録した。ただ20、21年はゼロだった。若松埠頭には市が新旅客ターミナルを建設中で、コロナ禍後を見据えたクルーズ需要に備える。