JR北海道が全21区間赤字 22年3月期は790億円

JR北海道が3日発表した2022年3月期の区間別収支は、全21区間で営業赤字だった。赤字幅は790億円と過去最悪だった前の期に続き、過去2番目の大きさ。全区間の赤字は区間別収支の公表を始めて以来、8期連続だった。札幌圏が若干持ち直したことで、赤字幅は前の期比で51億円縮小した。
17日に新社長に就任する綿貫泰之副社長は「引き続き厳しい状況だ。特急をどう回復させるかが重要」と述べた。赤字幅は21区間のうち、12区間で縮小した。

赤字縮小の主因は札幌圏の持ち直しだ。札幌圏の前期は148億円の営業赤字と前の期に比べ30億円縮めた。鉄道利用が増え、売上高にあたる営業収益は27億円伸びた。2月の大雪影響では6億円減収となり、除雪費用は4億円に上った。
北海道新幹線の営業赤字は148億円と過去最大になった。前の期から赤字が4億2900万円膨らんだ。利用客は復調しつつあるものの、線路や電気設備の修繕コストがかさんだ。
輸送密度(1キロメートル当たり1日平均利用者数)が200人以上2000人未満の「黄線区」全体では141億円の営業赤字に陥った。赤字幅は7億500万円拡大し、過去最大だ。宗谷線(名寄―稚内)や石北線(上川―網走)で、線路や橋梁の修繕費や燃料費が増えた。

JR北海道は同日、経営改善に向けた22年3月期の達成状況も公表した。鉄道運輸収入は403億円で、目標の489億円を下回った。新型コロナウイルス下でのテレワーク普及により、定期券収入が伸びなかった。
商業施設「JRタワー」のテナントなど不動産業は売上高229億円の目標に対し、実績は215億円と未達だった。新型コロナ感染対策による営業時間の短縮が響いた。コスト削減は15億円を達成し、JR北海道が掲げた13億円を上回った。

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