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コロナ禍で注目される中核市 感染対策で自治体間競争を

こだま

新型コロナウイルスの感染が国内で確認されてから1年あまり。この間、改めて注目されたのが中核市の存在だ。群馬では昨年の感染拡大時には県だけでなく中核市の前橋市や高崎市でも頻繁に記者会見が開かれた。今も毎日の感染状況については県と両市が公表しており、報道機関は両市の発表内容にも目を凝らす日々が続く。

中核市になると自ら保健所業務を担うことになる(写真はイメージ)

中核市になるには20万人以上の人口が必要で現在、全国に60ある。北関東では群馬の2市のほか宇都宮市と水戸市が該当する。中核市になると都道府県から福祉や教育など様々な事務が移管されるが、その中心は保健所の設置など保健衛生に関するものだ。

昨年4月に中核市に移行した水戸市の場合、茨城県から移管された約2600の事務のうち半分が保健所に関係していた。保健衛生に関わる政策を自ら機動的に実施できる半面、大きな責任を負うことになる。

コロナ禍の真っただ中に移行した水戸市の高橋靖市長は「中核市でなければ情報が入りにくくて様々な対策を打ち出せなかったのではないか」と記者会見で振り返った。一方、同市はコロナ対策のため保健所の運営を巡って全庁的な人的支援体制を構築。昨夏の感染拡大では保健予防課に25人の特別対策チームを設置するなど対応に追われた。

1995年に中核市制度が創設された狙いのひとつは、都道府県よりも住民と身近に接し、その声を吸い上げやすい基礎自治体に事務を移すことで、住民ニーズに沿った政策を実現する点にある。

富岡市長はPCR検査の対象を拡大するよう指示した(1月の記者会見、群馬県高崎市)

群馬県高崎市では昨年4月から感染者周辺の検査で独自の施策を始めた。富岡賢治市長の判断でPCR検査の対象を「濃厚接触者」以外にも広げて感染者周辺の検査を徹底した。群馬県内で「高崎方式」と呼ばれたこの取り組みについて、富岡市長は「感染を抑えるためかなり徹底して調べてきた」と述べている。

12日現在、群馬県内の感染者数は約4200人。うち高崎市は11%を占める。同市の県全体に対する人口比率(19%)に比べると低く抑えられている。厚生労働省は昨秋、PCR検査の対象を濃厚接触者以外にも広げるように指針を出し、高崎市と同様の措置をとる自治体は全国に広がっている。

人口規模に比べると高崎市内での感染は抑えられている(同市)

新型コロナとの戦いはまだ続くが、高崎市が今回行った施策のように、都道府県と中核市が感染対策を互いに磨き合うなかから、感染収束につなげられるような新たな取り組みが生まれることを期待したい。

(前橋支局長 古田博士)

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