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横浜市予算案、初の2兆円超え 21年度一般会計

新型コロナ対応が予算の中心となった(29日、横浜市役所)

横浜市は29日、一般会計で2兆73億円の2021年度予算案を発表した。20年度の当初予算から15%増加し、年度当初の予算として初めて2兆円を超えた。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた関連費用が1割強を占める。市税が大幅に落ち込む中、中期計画を大幅に上回る赤字地方債を発行し財源を確保する。

新型コロナの感染拡大防止や経営環境の悪化が続く企業支援などの「くらし・経済対策予算」に2405億円を盛り込んだ。コロナ関連以外では上瀬谷の旧米軍施設の跡地整備費用を拡充したほか、みなとみらい(MM)21地区の歩行者デッキ整備など回遊性向上を盛り込んだ。

くらし・経済対策の中では、中小企業向けの制度融資事業が8割を占めた。自治体が金融機関に貸付資金を預託するもので、融資枠は計2300億円分を確保する。他にも、企業がデジタル関連で行う設備投資や新事業で販路開拓をする際の補助金も新設する。

医療体制の確保では、医療機関の患者受け入れやPCR検査の実施などに対する助成金、簡易検体採取所の設置・運営などに計66億円をかける。高齢者の多い介護施設で感染対策を行うための助成金や、東京五輪・パラリンピック開催時の感染症対策に関する費用も盛り込んだ。

予算規模の大きな増加要因は制度融資枠の増額や新型コロナのワクチン接種事業の費用だ。それらを除くと一般会計は1兆7737億円となり、前年度当初予算からの伸びも2%にとどまる。制度融資やワクチン接種の関連予算は、一時的な費用だったり国費で補助されたりするため、実際の市負担分は数字ほど伸びないとみる。

一方、市税収入は20年度当初から6%減の7953億円を見込む。減少幅は戦後最大で、企業収益や雇用環境の悪化で市民税が個人・法人ともに減少するという。20年度も当初予算額は1兆7400億円だったが、4度の補正予算を繰り返し、累計は2兆3500億円を超えている。2月にはさらに追加補正を控え、コロナ対策による財政悪化は深刻だ。

市は「全事業をコロナの視点で考え直す」(市財政課)とし、既存事業の見直しを強化。事業所の移転を先送りしたり、市立保育所を民間に移管したりして、コスト削減に努める。コロナ下で海外向けの事業も抑え、見直しによる財源確保額は20年度の1.4倍となる159億円に増やした。

それでも財源不足を全て補うことはできず、市は21年度までの「中期4か年計画」の計画値を超える赤字地方債を発行することを決めた。21年度予算では臨時財政対策債として280億円の発行を見込んでいるが「さらなる赤字地方債」として500億円分を追加する。2月に予定する20年度5度目の補正予算でも赤字地方債を195億円分新たに設ける予定だ。

横浜市の2021年度予算案は新型コロナウイルス対策が中心になった一方、中長期的な事業には一定の予算が組まれた。テーマパークの誘致を目指す米軍施設・上瀬谷通信施設の跡地開発には33億円を計上。20年度当初予算の1.5倍に拡大した。相鉄線・瀬谷駅から開発予定地をつなぐ新交通システムの導入や、公園整備などを進める。

市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)関連は3億6000万円。21日に開始した事業者公募(RFP)では、夏ごろに事業者を選定する方針で、21年度は大きな進捗のある年になりそうだ。ほかにも区域整備計画の策定を行い、22年4月までに政府に認定を申請する。

21年度は新たにデリバリー方式で中学校給食を導入する。これまでの配達弁当「ハマ弁」を引き継ぐもので、当日朝まで注文でき、保護者負担の削減を目指す。ハマ弁は喫食率の低さが課題だったため、新たな給食制度がどの程度広がるかは検証が必要だ。

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