山梨県、2020年の宿泊者数55%減 405万7千人で最少
山梨県がまとめた2020年1~12月の宿泊旅行統計調査(速報値)によると、県内の延べ宿泊者数は1年間で405万7千人と、19年(確定値で907万2千人)に比べ55%(501万5千人)減った。減少は3年ぶり。現在の手法で統計を取り始めた11年以降で最も少なかった。12月単月の宿泊者数は34万6千人で同40%減った。減少幅は2カ月連続で拡大した。

20年は新型コロナウイルスの影響で、外国人観光客が年間で25万8千人と19年比87%減少した。11年以降では初めて減少に転じ、11年の25万人に次いで2番目に少ない水準となった。統計の対象としている20カ国・地域のすべてで前年を下回った。日本人も年間で379万9千人と19年比46%減った。
県観光文化政策課は「山梨県は全国の中でも海外と首都圏の観光客が多いため、新型コロナの影響を受けやすかった」と分析した。
全体では、19年の確定値と比べると、すべての月で前年を下回った。5月は前年比89%減と減少幅が最も大きくなり、その後、日本人の宿泊者を中心に回復傾向が続いたが、感染の再拡大に伴う国の観光需要喚起策「Go To トラベル」の停止などもあり、再び減少傾向となった。
今後について同課は「緊急事態宣言が首都圏で解除されても、観光は段階的に拡大することになるとみられ不確定要素が多い。21年も海外からの観光客は期待しにくく、国内需要の掘り起こしに取り組みたい」と話している。