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清水港の輸出拡大に弾み 中部整備局、農産品の鮮度確認

中部地方整備局は中部や九州産の農産物を共同輸送する試験を行った(静岡市中央卸売市場でのコンテナ詰め込み作業)

清水港(静岡市)から農産物の輸出を拡大する取り組みが進んでいる。中部地方整備局は中部や九州地方の農産物をシンガポールへ海上輸送する実験を行い、7割の品目で鮮度を保持できることを確認した。広域集荷によって通年で荷量・品ぞろえを確保すれば安定して輸出を継続できる。関係機関と連携して課題を改善し、民間による本格展開を後押しする。

鮮度が重要な野菜や果物の輸出には航空輸送を使うことが多いが、運べる量が少ないうえに価格も割高になる。一方、海上輸送できれば価格競争力が高まるが、数倍の時間がかかるため鮮度が保てなかった。近年、高機能の冷凍・冷蔵コンテナが開発され、鮮度を保持したまま届けられる可能性が広がってきた。

清水港の振興を担う静岡県は2017年度に県産の農産物をシンガポールに海上輸送する実験を初めて実施。中部整備局も19年度、中部の農産物を使った同様の実験を4回行った。いずれも一部の品目を除き高い鮮度を保てることが分かった。

農産物を継続的に輸出していくためには、輸出先にニーズのあう農産物を通年でそろえ、荷量も確保する必要がある。中部だけでなく他の地域の農産物も集約すればこうした課題を解決できる。中部整備局は実際の運用に近づけるため、20年度は中部や九州地方の農産物を静岡市中央卸売市場に集めて一緒に輸送する実験を行った。

輸送したのは、内航船で運んできた九州産のサツマイモや白ネギなどと、中部産のコマツナなど計39品目。20年12月下旬に清水港を出発し、21年1月上旬にシンガポールに到着。品質調査までの輸送日数は大分港発で29日間、清水港発で27日間だった。新型コロナウイルス禍による物流遅延の影響で予定より約1週間延びた。

品質を調べると、特殊なフィルムで包装した農産物は全体の77%、フィルムなしでも73%で鮮度が保持できた。特に近年、シンガポールで需要が伸びているコマツナやホウレンソウなどの葉物野菜は良好な状態だった。実際の運用でも同様の鮮度を保てれば事業として成り立つという。一方で、キュウリやナスなどは梱包を工夫するなどの対策が必要で混載輸出は難しいことも判明した。

課題も見えた。静岡市中央卸売市場は冷蔵倉庫から冷蔵コンテナに移す際に農産物が外気にさらされる。冷蔵状態を保つ「コールドチェーン」が途切れると、温度変化が激しくなるため傷みの原因となる。静岡市は21年度、専用搬出入口の新設など同市場の改修を支援する。輸出が伸びれば同市場の取扱高の増加につながりそうだ。

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