東京都庁で渓流釣り遠隔体験 5Gで奥多摩と結ぶ

東京都は高速通信規格「5G」を活用し、奥多摩町の釣り場の魚を新宿区の都庁から遠隔で釣る体験イベントを3月に開く。都庁と釣り場にそれぞれ釣りざお型のロボットを置く。参加者が都庁側のロボットを操作すると釣り場側のロボットがリアルタイムで連動して動き、実際の魚を釣ることができる。
3月10~16日に開く。説明などを含めて体験時間は1人あたり20分程度とする。定員は先着153人で、申し込みは公式サイトで受け付ける。参加費は無料。
奥多摩町の「氷川国際ます釣場」と結ぶ。都庁側にはスクリーンを置き、参加者は映像を見ながらロボットを操作する。参加者の操作に合わせて釣り場側のロボットが動く一方、釣り場で実際に魚が釣れた際には魚からの振動が都庁側のロボットにも伝わるという。釣った魚は釣り場に戻し、参加者に提供はしない。
都はイベントを通じ、都民に5G活用の魅力を伝えるとともに「観光事業者に5Gを使った誘客策を考えるきっかけにしてほしい」としている。
5Gとは
現行の「第4世代(4G)」の最大100倍の速さの次世代通信規格。毎秒10ギガ(ギガは10億)ビットの最高速度はアナログ方式だった1980年代の第1世代の100万倍。2時間の映画を3秒でダウンロードできる。米国と韓国の通信大手が世界に先がけて商用サービスを始めた。
1Gから4Gへの進化は主に速さの向上だった。5Gは「多数同時接続」「超低遅延」という特徴が加わる。たとえば自宅で約100個の端末やセンサーを同時にネット接続できる。利用者が通信の遅れを意識することは格段に減る。