神奈川知事「このままでは医療崩壊」 医師会などと声明

神奈川県の黒岩祐治知事は24日、新型コロナウイルスの感染者数の急増を受け、医師会などと共同メッセージを発出した。「このままでは通常の医療が受けられなくなる医療崩壊につながる」と危機感を強調し、年末年始に向けて県民や事業者に感染予防策の徹底を要請した。
黒岩知事と県医師会の菊岡正和会長、県病院協会の新江良一会長が記者会見した。県によると、現在のペースで患者が増え続けた場合、2021年1月中旬までには入院患者数がすぐに入院できる即応病床数に達し、医療機関が即応病床を増やし続けても同月下旬には満床になる恐れがあるという。
菊岡氏は感染拡大が続いた場合「必要な一般医療が受けられず、命の選択が始まる可能性がある」と強調。新江氏は「本来であれば、国に緊急事態宣言を出していただきたいところ」と窮状を訴えた。
一方、発熱者を受け入れる「発熱診療等医療機関」(約1600カ所)のうち、年末年始は361カ所で医療提供体制を確保できたという。県は今後、SNS(交流サイト)などでの情報提供を強化する。黒岩知事は「命を守るため、一人ひとりの行動変容をしっかりお願いしたい」と述べた。