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静岡の公示地価、全用途1.5%下落 コロナで土地需要減

繁華街はコロナ禍の影響を大きく受けた(商業地の最高価格地点となった静岡市葵区呉服町)

国土交通省が23日発表した静岡県の公示地価(1月1日時点)は、全用途の平均変動率がマイナス1.5%だった。コロナ禍で飲食業や製造業の業績が悪化し、引き合いの鈍った商業地や工業地が下落に転じた。先行き不透明感から住宅購入意欲が落ち込んだことで住宅地も下げ幅を拡大した。物流など一部需要は底堅いが、全体を補えなかった。

県内の調査対象は松崎町、西伊豆町、川根本町を除く32市町の672地点。前年と比較可能な住宅地(465地点)のうち429地点、商業地(160地点)のうち150地点、工業地(42地点)のうち37地点が下落し、9割前後が前年割れした。

全調査地点ベースの平均価格は住宅地が1平方メートル当たり7万2000円、商業地が同14万6800円、工業地が同4万9400円だった。

特に商業地への打撃が大きい。平均変動率は20年のプラス0.1%からマイナス1.8%に大幅に落ち込んだ。主要繁華街をみると、商業地として39年連続で首位を保つ静岡市葵区呉服町は4.0%下落した。同区昭和町は6.1%、浜松市中区鍛冶町も7.6%下がった。

新型コロナウイルスの感染拡大によって外出を控える動きが加速し、客数が大幅に減少している。その影響もあり、収益性の低下で事業者の出店意欲や投資意欲が減退している。一方、工業地もコロナ禍で製造業が振るわない状況を映し、変動率はマイナス0.7%に落ち込んだ。

住宅地は下落幅がマイナス0.7%からマイナス1.5%へ拡大した。不動産鑑定士の鈴木隆史氏は「高齢化や過疎化で1次取得者が減っているのに加え、コロナ禍で生活不安が生じ、住宅の購入を様子見する動きが出た」と指摘する。

もっとも、底堅いエリアもある。首都圏へ通勤できるとして人気のある東海道新幹線の三島駅に近く、子育て支援策も充実している長泉町は市町別の全用途の平均変動率で唯一プラス圏となった。ブランド力のある静岡市葵区西草深町や、東海道線の御厨駅が開業した磐田市新貝など住環境が良好な住宅地は引き続き支持を得ている。

住宅地で上昇率1位だったのは熱海市春日町(1.3%上昇)。局地的とはいえ、2拠点生活やテレワークを目的に別荘やリゾートマンションを購入する動きが出ている。工業地も高速道路のインターチェンジ付近など物流施設に人気のある場所は堅調だ。

不動産鑑定士の鈴木氏は「全体的にみて悪いところばかりではなかった」と総括。ただ「リーマン・ショック後や東日本大震災後も地価が下落したが、コロナ禍はどこが底なのか見えない」とも指摘する。

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