/

住宅地・商業地8年ぶり下落 埼玉県内の公示地価

住宅地で上昇率が最も高かった川口市並木付近

国土交通省が23日発表した埼玉県内の2021年公示地価(1月1日時点)は住宅地が平均0.6%、商業地が0.9%低下した。いずれも8年ぶりに値下がりに転じた。新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が停滞。住宅地は東京都心に近い県南部の一部を除き、ほぼ全域で下落した。

比較可能な地点のうち、住宅地で値上がりしたのは全体の9%と前年(46%)に比べて激減した。商業地も前年は60%が上昇したのが、21年は3%にとどまった。昨年までは上昇基調が鮮明だったが「コロナで一気に横ばいやマイナスに転じた」(県土地水政策課)。

住宅地の市町村別変動率をみると、20年は25自治体が上昇したが、21年は戸田市、蕨市、川口市の3自治体のみ。調査を担当した不動産鑑定士の三田和巳氏は「上昇率が高い都内の北区などから需要が流れてきている」と分析。少子高齢化や人口流出に悩む秩父地域や県北地域は下落が続いている。

住宅地の上昇率は上位10地点のうち、川口市内が9地点を占める。東京都に隣接してJR京浜東北線や埼玉高速鉄道など交通の便も良く、根強い需要を保つ。上昇率が県内トップ(3.2%)だった川口市並木は大型商業施設が近く、JR西川口駅から1キロメートル圏という利便性の高さが人気を集める。

川口市以外で上位10地点に唯一入った上尾市栄は2.8%と県内2位。付近にイオンモール上尾が20年12月にオープンし、地価を押し上げた。価格はさいたま市浦和区高砂が1平方メートルあたり97万9000円と県内トップだった。

堅調さが目立つのは工業地だ。前年に比べて1.6%上昇し、8年連続で値上がりした。コロナ禍での「巣ごもり消費」増加でネット通販市場の拡大が加速し、物流施設の建設用地の引き合いが増加。東京外郭環状道路(外環道)沿道の川口市や三郷市、越谷市内の工業地は4%台の伸びを示した。

コロナ禍の影響が強く表れたのが、時短営業や休業を迫られた飲食店が多く連なる繁華街だ。県内最大の繁華街「大宮南銀座(ナンギン)」があるさいたま市大宮区仲町は下落率が5.6%と県内最大。ほかのJR大宮駅付近の商業地も軒並み下落し、打撃の大きさがうかがえる。
30年連続で県内最高価格地点のさいたま市大宮区桜木町付近
商業地の最高価格地点は30年連続で大宮区桜木町1丁目で、1平方メートルあたり348万円。20年は13.0%上昇したが、21年は横ばいにとどまった。
大宮区と同様、時短要請が長く続いた川口市と越谷市の商業地は明暗が分かれた。川口市は上昇した地点も多かったが、越谷市は全地点でマイナスとなった。不動産鑑定士の三田和巳氏は「飲食店の多い繁華街は落ち込みが激しいのに対し、オフィスが多い商業地はそれほど落ちていない」と分析する。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

新型コロナ

新型コロナウイルスの関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。

ワクチン・治療薬 休業・補償 ビジネス 国内 海外 感染状況

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン